「相続」や「相続税」と聞いても、自分には関係のない話……と思っている人も少なくないかもしれません。でも、人が亡くなれば必ず発生するのが相続です。そして、財産がからむことから、相続は“争続”になりやすいのです。

そこで今回は身近なケースをとりあげながら、知っておきたい「相続」と「相続税」の基本をお伝えします。

「普通の家庭」でも「相続問題」は起こる!

「相続」と聞くと、「我が家には相続するほどの資産もないから」「相続対策が必要なのはお金持ちの家庭だけなのでは」と思うかもしれません。でも、相続の問題が起こるのは、何もお金持ちに限られた話ではないのです。

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人が亡くなれば、必ず相続が発生します。それは残された財産が多いか少ないかには関係がありません。例えば、早くに父が亡くなり、母が実家でひとり暮らしをしていたとします。あなたは弟と2人兄弟です。母があるとき、風邪をこじらせて肺炎になり、そのまま亡くなってしまったとします。遺されたのは、築40年の実家と、預金800万円です。さて、あなたはこの資産をどのように弟と分けますか?

実家の資産価値が3,000万円あったとしたら、資産の合計は3,800万円です。弟と半分の1,900万円ずつ相続するとき、仮にあなたが実家を相続して、弟が預金を相続することになったら、差額の1,100万円を弟に支払う必要が出てきます。それ以前に、おそらく自分が住まないであろう築40年の実家よりも、色々なことに使える預金のほうを相続したい、と思うかもしれません。

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では弟が実家を、あなたが預金を相続したらどうでしょうか。今度は弟があなたと同じように感じるかもしれません。一方のあなたのほうも、「弟は3,000万円の資産を相続したのに、私は800万円なんて不公平だ」と感じるかもしれません。このケースに限らずとも、得てして「あっちを立てるとこっちが立たない」ということが起こりがちなのが相続なのです。