3.領収書の保管が鍵を握る!
「医療費控除」

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「医療費控除」も、所得税の控除の中では比較的、認知度の高い控除のひとつ。毎年1月1日~12月31日にかかった医療費の合計金額から保険金等で補てんされた金額を差し引いた金額が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等✕5%の金額)を超えた場合に、その金額が所得の金額から控除してもらえます。

この場合の医療費は、生計を同じくしていれば、つまり同じおサイフで生活している家族の場合は合計することができます。ですから、大きな病気やケガで入院していなくても、家族それぞれが風邪をひいたり、花粉症や歯の治療で通院したりして病院や薬局で支払った費用を合計し、目安となる10万円を超えていたら控除の対象となる、ということになります。

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ちなみに、いわゆる病院や薬局で支払ったものでなくても、風邪薬や胃腸薬などは、ドラッグストアで購入したとしても医療費控除の対象になります。一方、ビタミン剤や栄養補助食品、歯のホワイトニングや美容整形、健康増進のためのサプリメント代などは、たとえ病院の窓口で支払ったとしても医療費控除の対象とはなりません。

意外と知られていないのが、入院や通院にかかった交通費も対象になるということ。通院時の電車代やバス代に加え、歩行が困難な場合であればタクシー代も医療費として認められます。

大切なのは、とにかくマメにレシートや領収書を集めておくということ。その年の医療費の合計額がいくらになるのかは、1年が終わってみるまでわかりません。「私は健康だから病気やケガとは無縁!」と過信せず、普段から医療にかかったレシートや領収書はすべて保管しておく習慣をつけておきましょう。

4.もしもの災害や損害のときに活用できる
「雑損控除」

震災、風水害、冷害、雪害、落雷などの自然災害や盗難、横領などによって損害を受けた場合には、「雑損控除」として控除を受けることができます。

控除額は、(1)「差引損失額」から「総所得金額✕10%」を引いた金額、(2)「差引損失額」のうち災害関連支出の金額から5万円を引いた金額、のどちらか多いほうが適用になります。ここで言う「差引損失額」とは、損害金額と災害等に関連したやむを得ない支出を合計した金額から、保険金などにより補てんされる金額を差し引いた金額のことです。損害金額が多いためにその年の所得からは引ききれなかった、という場合には翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。

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近年、異常気象による大雨や台風、それにともなう洪水や土砂災害のニュースを頻繁に耳にするようになりました。また、そもそも日本は地震大国。世界で起きたマグニチュード6以上の大きな地震のうち、約2割が日本周辺で発生しているとも言われます。そんな日本に住む私たちにとって、こうした災害はいつ自分の身に降りかかってきてもおかしくはありません。こうした控除の存在を知っておくと、もしもの場合に、少しでも金銭的な負担を減らすのに役立つはずです。

また、コロナ禍で公共交通機関の利用を避ける人が増えたことや、運動不足の解消ニーズなどから自転車がちょっとしたブームになっているようですが、「自転車が盗難されてしまった!」という場合は通常、「雑損控除」の対象となります。特に最近では、男女問わず、ちょっとお高めのスタイリッシュなロードバイクやクロスバイクを愛用する人も増えている様子。もちろん盗難に遭わないことが一番ですが、不運にも盗難されてしまったら、少しでも「雑損控除」で取り戻したいところです。

ちなみに、盗難、横領の場合は「雑損控除」の対象となりますが、詐欺などの場合は対象となりません。財布を盗まれた場合は対象となるけれど、金融詐欺で損失が出た、という場合は対象とならないということも覚えておきましょう。