胃瘻に関して思う事

最初にも書きましたが、私は「胃瘻」も「気切(気管切開)」「人工呼吸器」も手術・装着するとは決めていません。「さて、どうしようかなぁ」という状態です。「全てやるものだ」と思われていて驚かれた方もいると思います。実はこれから決めます。ですから、現状をしっかりと体感していこうと思っていますし、たくさん勉強していきたいと思うのです。最終的な自分の判断を自信と覚悟を持ってしたいですから。

胃瘻は手足が動かなくなって、食事を口に運んでもらっている私としては、すでに軽く装着しているような状態ですし感覚です。妻に口に運んでもらって食べる食事は確かに美味しいですし、ありがたいです。でも贅沢な患者意見を言わせてもらうと、ラーメンは自分の箸ですくい上げて、口でフーフー冷まして、ズズズゥ~っとすする美味しさがあるのです。ステーキはナイフとフォークで自分で切って「わぁ~っ」と思いながら口にほおばる美味しさがあるのです。やってもらっているのに本当に贅沢な意見です。そして皆さんお分かりの通り、胃瘻は口に入れてもらう味覚もなくなるという事です。もちろん口からも食べられる胃瘻なのではありますが。

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そして胃瘻は便が軽く下痢状や軟便になり水分調整が大切になります、逆流や嘔吐をしやすくなり誤嚥性肺炎への注意が必要になります。現状で要介護4の私はこれらの処置の全てを妻と介護の皆さんに委ねることになるのです。ALSに罹患した多くの患者の場合はこのようなことも考えなければいけないのです。治療が終わるまでの間の装着ではなく、対症療法として医療装置を外さない覚悟になります。悩んで最終的に下した患者の決断は、どれも正しいのだと思います。

さらにもう一つ個人的に胃瘻造設でつけ加えますと、胃と腹壁をつなげて穴をあけた時、腹式呼吸や腹圧のバランスに影響が出て、仕事で出しているような「声が出なくなる」可能性もあるのです。普通に喋る分には大丈夫だとは思いますが「鼻腔を使っての開放音をお腹で支えられるか」これが心配です。

どの病気の方も「確固たる治療法が出来るまで医療装置をつけて待つ」という選択肢があると思います。そして何も外部の治療を受けずに天寿を全うするという選択もあります。いずれにしても自分は「そう生きる」という決断に至ったものだと思います。正解はないと思いますし、私は死ぬ気は毛頭ありません。今現在、私はそのように考えています。

NHKの食堂で食事をする津久井さん。妻の介添えでアクリル板をずらしながら食事を摂っているという 写真提供/津久井教生

【次回は7月3日(土)公開予定です】

体重の話と思ったら、声で年齢をつくるリアルな動きまでわかる驚きの声技が!~津久井さんのYouTube(津久井教生チャンネル)2021年6月に作られた動画はこちら。↓