ALS患者としての胃瘻の話

これまでお話ししてきたとおりに、ALS(筋萎縮性側索硬化症)は治療法が確立していない病気です。そして圧倒的に個人差のある病でもあるのですが、病の最終到達点では「感覚があるままに身体が動かなくなる」のです。手足はもちろんの事、嚥下機能や呼吸機能も動かなくなります。意識がハッキリとしながら徐々に完全介護が求められる状態になるということです。つまりALSは現状において、回復が見込めない病気です、ですから難病なのです。

まずは「胃瘻」のお話をさせていただきます。「胃瘻」は漢字が難しくって「胃ろう」と表記されることが多い医療装置です。口からの栄養補給や水分補給が難しくなった患者が胃から直接補給することができるものです。私は基本的には対症療法装置だと思っています。

自分の身体で自由に食べることができる。それは素晴らしいことなのだ Photo by iStock
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手術は英語でPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy : 経皮内視鏡的胃瘻造設術)と言って内視鏡を使っての手術です。お腹に穴をあけて胃と直接つなぐ専用のカテーテルでつなぐのです。入院はしますが、手術自体は難しいものではないそうです。そうなのです、私自身も体験していないのでこういう紹介になります。

嚥下障害で飲み込むことが難しくなったり、呼吸器系障害で誤嚥性肺炎を起こしやすくなるALS患者のほとんどが、胃瘻造設の判断をしなければならない時が来るのです。ですがその患者さんの状況によって判断はまちまちになってきます。いきなり嚥下障害から症状が現れた方は、PEGをうけている事が多いです。症状の出方によってかなり変わってくると思います。

胃瘻造設後は入浴で湯船につかることも出来、身体を洗うことも出来ますリハビリやスポーツも可能で、栄養を流し込む経鼻経管栄養という方法よりも嚥下リハビリや言語リハビリには適している栄養補給方法と言えます。そしてお話によると経鼻よりも違和感は少ないという事です。短期の装備であることが分かっている場合は経鼻経管栄養である場合が多いようです。