ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」と書かれています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われている事で知られています。前回からイベントに出演して感じた事やそこからの思いを書き始めました。今回は私の「気切(気管切開)・人工呼吸器・胃瘻造設」をしていないALS患者の現状に対しての話をしていきます。今回は「胃瘻造設」を中心にしていきたいと思います。

2019年3月に足に違和感を覚え、検査入院を経てALSだと告知された声優の津久井教生さん。現在は要介護4で手足が動かなくなってきており、原稿も割りばしを口に咥えてひと文字ずつ打ち込んで執筆しています。そんな津久井さんが実感しているのは「ALSの症状は人それぞれ」だということ。呼吸器や嚥下機能に早く症状が出た場合は、気切や人工呼吸器、胃瘻造設について考える必要がありますが、今は食事ができ、声が出るのでニャンちゅうの声も演じ続けています。その津久井さんが考える「胃瘻」のことを綴ってもらいました。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
津久井教生さん連載「ALSと生きる」今までの連載はこちら
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現状の私へ多くあった質問

前回の連載で書いた「自分をプレゼン!」のイベントの後、やはり多かった質問が「津久井さんは今後どうするんですか?」でした。そして多くの人が「津久井さんはどうするんだろう?」と思われたようです。読んでくださった方に、こちらから話の流れでふってみると「直接聞けませんが、気になっていました」との言葉を多くいただきました。

ALSに罹患した津久井教生は「気切(気管切開)・人工呼吸器・胃瘻造設」をどうするのだろう?

これは私にとって、根本的な「自分で決めなければいけない事象」なのです。「えっ?お医者さんが決めるのではないのですか?」と思われる方も多いと思います。確かに状況によっては医師が判断する場合もあります。ですが、今の私の状況では「最終的な判断を自分でする」ということになり、周知してもらうのです。もちろん、主治医や家族や周囲ともしっかりと話しての判断になりますが。

前述したイベントでお話をした時に、最後にこんな風に笑顔で言いました。

「まだどうするか決めていません。この先、家族や周囲の方と相談して、勉強して決めまぁす」

本当に今はこんな気持ちでいます。ですので、これから先は在宅介護での生活の話しや、進行していくALS(筋萎縮性側索硬化症)との兼ね合いの中で揺れ動くであろう気持ちをそのまま皆さんにお伝えしていくことになるのだと思います。

2019年11月、『ALS患者さんに聞こう!「自分をプレゼン!」』主催者であるALS患者の真下貴久さんと。この当時はまだプレゼンができないと断ったのだという 写真提供/津久井教生