〔PHOTO〕Gettyimages

ドイツ「緑の党」次期首相候補ベアボック氏、大旋風から一転大逆風へ

国民の多くは「新風」をに希求している

ベアボック人気の急落

4月19日に緑の党が、次期総選挙の首相候補者としてアナレーナ・ベアボック氏を立てると発表。その後に続いた主要メディアのベアボック絶賛は凄まじく、あたかもドイツにすでに緑の党の新首相が誕生したかのような大声援だった。

第1、第2の公営テレビはもちろん、シュピーゲル誌までが、ベアボック氏が両手を腰に当てて真正面を向いてすっくと立つ、いかにも凛々しい写真で表紙を飾り、「全てに対応できる女性 アナレーナ・ベアボック:彼女は何者か、そして、なぜ誰もが彼女を避けて通れないか」というタイトルを付けた。

メディアが作ったこの上昇気流に乗って、緑の党の支持率は炸裂。5月の初め、いくつかの世論調査ではわずかながらもCDU(キリスト教民主同盟)を抜き、一位に躍り出た。それどころか、第2テレビの世論調査「ポリットバロメーター」では、ベアボック(緑の党)、ラシェット(CDU)、ショルツ(SPD・社民党)の三人の首相候補者のうち、誰が一番首相に相応しいかという質問で、ベアボック氏が1位になった。

ところが、その後、ベアボック氏は劇的に墜落する。そして、これもメディアの功績によるところが大きかった。ベアボックの収入に申告漏れがあったというところから始まった攻撃は、やがて彼女の履歴が不正確であるという点に集約され、弾劾とも言える激しさとなった。

もちろん、不正確な記述で履歴を膨らませたなら、それは誉められることではないが、メディアは、数日前には天まで持ち上げていたベアボックを執拗なまでに攻め、あるいは嘲笑し、容赦無く奈落の底に突き落とした。そして、それらの記事の横に掲載された写真は、これまでのように美しく凛々しい写真ではなく、下を向いて顔を顰めたようなものが多くなった。

10日に放映された第1テレビの放送「Farbe bekennen(旗幟鮮明といったような意味)」では、著名なジャーナリストが二人でベアボックをインタビューしたが、冒頭、まず女性ジャーナリストが無表情でこう切り出した。

 

「履歴についての創造的な取り扱い(←もちろん皮肉)。なぜ、そんなことをするのですか? なぜ、あなたは、本当の姿よりも自分をよく見せようとするのですか?」

ドイツのジャーナリストは、水に落ちた犬を打つ。

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