きっかけはサークル内で起きた性暴力

大学でサークルに入る人は多い。楽しいはずのサークル内で性暴力が発生していたとしたら……。

「女性の顔面ランキングをつけたり、サークルの幹部に性被害を訴えても恋愛のもつれと判断され、被害女性がサークルをやめることになったり……。性暴力が起きても、なかったことにされてしまう。そんなサークルも、学内に多く存在していました。私自身は、過去に被害女性から相談を受けたことがありました。でも、うまく対処できなくて、悔しい思いがあり、Safe Campusを立ち上げたのです」

こう話すのは、学生団体「Safe Campus」のメンバーの一人、慶應義塾大学4年の佐久川姫奈さん。「Safe Campus」は性暴力、性差別をなくすための取り組みをしている慶應生の有志の集まりだ。

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サークル内での性暴力は何件か起きていた。一部だけの問題ではないと証明したかった佐久川さんらは、学内で実態調査を行なった。

「その結果、性被害の多くは、先輩から後輩に対して行われていることや、誰にも相談していない人が全体の7割に上ることがわかりました。また、多くの人が(性被害を)深刻だと思わなかったという認識でいたものの、被害後には心身の不調が生じたり、自己肯定感や人間関係に負の影響があったという声が多く見られました。被害者が、自分の被害を軽視せずに、必要なケアや支援にアクセスできるようにしたい。加害者も出したくない。そのために、ストッパーにも相談者にもなれるアクティブバイスタンダーを広めようと考えました」と佐久川さんは話す。

楽しむはずのサークルで性被害に苦しむ被害者もあるという。photo/Getty Images

性暴力をなくすために、また性暴力から被害者を守るために、いま注目されているのが「アクティブ バイスタンダー」の存在だ。

バイスタンダーとは、「傍観者、居合わせた人、見物人」を意味する言葉。日本では救急医療の現場でこの言葉が使われている。けが人や急病人が発生した場合、その場に居合わせた人は、皆バイスタンダーであり、119番をする、AEDで心肺蘇生をするなどは、バイスタンダーの大切な役割だ。

セクハラや性暴力に居合わせた際にも、バイスタンダーができることはたくさんある。

「例えば、気をそらす、周囲の人に協力を求める、相談機関につなげるなど。私たちは、アクティブバイスタンダー(積極的に被害を止める第三者)の認知を広げ、活動してくれる人を増やしたいと思っています」(佐久川さん)