在宅していても協力してくれない夫

加えて、息子は娘に乱暴をしたりする、というのです。

「息子としては、ちょっかいを出しているつもりなんですけど、力の加減もあまり出来ないので、娘を泣かしてしまうことも多いんです。私もただでさえ、イライラしている所に娘が泣き出すと、娘をあやさなきゃいけないし、息子を抑えなくちゃいけないし、で、もう手が回らなくて」

「ご主人は、協力してくれなかったんですか?」

私が質問すると、里美は答えました。

「主人は、もともと育児には協力的ではないんです。テレワークになってからも平日は仕事があるので、手伝ってもらうのは無理でした。緊急事態宣言で、経営が行き詰まった企業も多くて、むしろ主人の仕事は忙しくなっていたんです。だから子ども達がうるさいと、主人もピリピリしていることが多くて」

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里美は一人で子どもの面倒を見なくてはならない日々が続いたんだそうです。

「念のため、下の階の方にはお菓子を持って、『うるさくてすみません』と言いに行きました。その時は、『お互い様ですよ』とは言ってくれましたけど、きっとすごくうるさかったんだと思います。一度偶然エントランスでお会いした時に、ちょっと嫌な顔をされたことがあって」

気のせいかもしれませんけど、と里美は付け加えた。でも、それから気になって、息子を走り回らせないように、必死になった、と言います。

「息子は体も大きくて、力も強いので、私では抑えられないことも多くて。言葉で注意しても聞きませんし。それで、余計にイライラが募って・・・」

怒鳴ってしまうことが増えたのだ、と言います。

「こんなこと、自分でも初めてだったので、戸惑ってしまって」

怒りを鎮めようとしてもどうすることも出来ず、息子を怒鳴り、息子が泣き、娘も泣き出す。そんなことが繰り返されるようになったのだ、と言います。

 そんな時、突然家を訪ねて来た人達がいた、というのです。

「児童相談所の人たちでした」

里美は思いつめた表情になりました。