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舞台『刀剣乱舞』最新作の魅力を支える、「2.5次元舞台」30年の歴史

テニミュ、セーラームーン、サクラ大戦
須川 亜紀子 プロフィール

舞台『刀剣乱舞』を勧めたい理由

だが、ミュージカルが苦手な読者もいるだろう。そういう人におすすめなのが、舞台『刀剣乱舞』である。2015年にサービス開始した刀剣育成ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とするこの舞台は、「西暦2205年、歴史上の人物が所有していた刀が人間の身体を得て「刀剣男士」となり、歴史修正主義者たちの歴史改変を阻止すべく戦う」という物語で、シリーズ化されている人気コンテンツだ。

マンガ、アニメはよく知らないけど、歴史は興味があるという方はぜひ観劇してほしい。マンガやアニメと異なり、決まったプロットはないが、刀を所有していた歴史上の人物や刀工の物語をベースに、キャラクターの性格や外見が設定され、物語が展開する。

例えば、現在上演中の『无伝』に登場する三日月宗近は、天下五剣の一振り(国宝でもある)である平安時代の太刀が元になったキャラクターだ。そのため、三日月の打除け(刃文の一種)をモチーフにした意匠をあしらった平安貴族のような着物をまとい、「ジジイ」と自称する優雅な刀剣男士である。他にもカラーコンタクトやカラフルなウィッグ、奇抜な衣装で現れる刀剣男士たちが2.5次元の空間にいざなってくれる。

刃文が三日月に見える日本刀「三日月宗近」(東京国立博物館HPより)
 

『无伝』は、夏の陣(1615年)直前の大坂が舞台である。徳川家康軍の大坂城攻撃により豊臣秀頼とその生母淀殿が自害し、豊臣家が滅亡したことで有名な大坂夏の陣が今まさに起きようとしている。

歴史修正主義者は豊臣を存続させるべく画策するが、刀剣男士が送り込まれたこの世界では夏の陣で討ち死にするはずの真田幸村はすでに死んでおり、代わりに架空の人物であるはずの“真田十勇士”(猿飛佐助、雲隠才蔵、三好兄弟ら)が、高台院(秀吉の正妻寧々)の下で共同体を作り、秀頼を守っていたのだ。

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