経済力のために再婚はマスト

実は、もうひとつ、亜美さんは心に決めていたことがある。それは、いずれ再婚することだった。
「私だけの経済力だと、やっぱり子どもの将来の選択肢が狭まってしまう。将来、子どもが高校は私立に行きたい、大学に行きたいと言ったときに、行きたいところに行かせてあげるためにも、再婚はマストだと思いました」
それで、亜美さんは、婚活を始めた。友だちの紹介や職場などで探すのではなく、生活圏の異なる人たちとの出会いを求めた。それだと、別れたときに、自分の世界が脅かされずにすむ。

「だから、おもにネット婚活。検索すると、たくさん婚活パーティとか出てくるんですよ。子どもが実家に遊びに行っている週末とかに参加しました」

当時、亜美さんは20代後半。婚活市場では、若いほうだ。しかも、亜美さんは明るくて可愛らしい。さぞモテただろう。
「お声はたくさんかかりました(笑)。まずは私自身を見てもらいたかったので、デートを数回重ねるまでは、バツイチで子どもがいることは言いませんでした。親しくなってから、打ち明けました」

その後、32歳で亜美さんは再婚するが、彼との出会いも婚活パーティ。5歳年上のサラリーマンで、真面目で誠実な男性。見た目からして亜美さんの好みだった。
「男性の多い職場で、女性との出会いがなくて、気づいたら30代後半。これはまずいと思って、婚活を始めたみたいです」

女性に慣れていないようで、何回デートを重ねても、その先に進もうとしない。亜美さんとしては、ずるずると友だち付き合いを続けるつもりはなかった。そこで、率直にこう言った。「あなたが好意を持ってくれてるかなって感じているけど、それが勘違いなのだとしたら、もう誘わないでほしい」。そうしたら、やっと彼は、「付き合ってほしい」と言ってくれた。
「私に子どもがいることも、最初は驚いていたけど、それも含めて判断したいと言ってくれました」

子どものためにと思った再婚は、私にとっても幸せな日々に(写真はイメージです)。Photo by iStock

1年ほど交際して、プロポーズされた。子どもには、グループでのバーベキューパーティの中で紹介し、徐々に距離を縮めていった。
そして、子どもの小学校卒業に合わせて再婚。子どもと彼は、徐々になじみ、いまでは2人だけで猫カフェに行くなど仲良くしている。
「再婚は子どもが反抗期に入る前にしようと思っていました。結婚してから反抗期が始まりましたが、生まれた次女の存在が家族を一つにしてくれました」

14歳以上離れた妹を長女は溺愛している。亜美さんと言い合いになり、一触即発の雰囲気になったときも、次女の笑顔が場を和らげる。次女は、まさに家族のかすがいである。

優しい夫、可愛い娘2人に囲まれて、いま、亜美さんは最高にしあわせだ。そこに至ったのは、亜美さんが人の助けは借りたとしても、すべて自分で考え、将来を見て動いてきたから。自立のために資格をとり、計画してきた。そして何より現実をきちんと見て逃げずに考えたその姿勢が、今の亜美さんの環境を作っている。