岡田亜美さん(仮名・35歳)は、明るく健康的な雰囲気の可愛らしいママだ。16歳と1歳の子どもがいる。
19歳で授かり婚をし、23歳で子連れ離婚。2年前、33歳で再婚した。

「最初の結婚は、子どもを産み育てることで親として成長せざるを得なかった私と、子育てに参加せず恋愛気分のままだった元夫との精神年齢の差に、私が耐えられなくなって終わった、という感じですね」
亜美さんの妊娠を聞かされた両親は、まだ19歳の娘が子どもを産む気だと知って、やはりショックだったらしい。最終的には応援してくれたが、母親は、亜美さんがその話をしたときに作っていた料理を、いまだ作れないでいる。

「いまなら、母親の気持ちがわかります。16歳の長女を見ていると、まだまだ子ども。あと3年後に『子どもができた』と言われたら…。長女を産んだことを後悔してはいないけど、やっぱり若すぎましたよね(苦笑)」

まだ社会人として自立していない学生が、妊娠してしまった。でも、授かった命をきちんと世に送り出したい。とはいえ、自立してきちんと生活していくのは大変だ。子連れの就職も結婚も難しい。それゆえに貧困のループに陥る場合も少なくないのだ。7人に1人が貧困と言われる日本で、その多くがシングルマザーだという。その背景には、養育費の未払いや、子どもがいる就労の難しさもある。19歳、学生のときに妊娠し、学生同士の結婚をした亜美さんは、どのようにして自立し、再婚したのだろうか。 
上條まゆみさん連載「子どものいる離婚」今までの記事はこちら

中学の同級生として再会

亜美さんと元夫は、中学時代の同級生。同じ運動部で、フレンドリーに言葉を交わす友だち同士だった。高校はそれぞれ別の学校に進んだが、中学時代の集まりで再会。そこから付き合いが始まった。
高校卒業後は、元夫は大学へ、亜美さんは資格取得を目指して専門学校へと進んだ。しばらくして、妊娠が分かった。

突然の妊娠だったが、産まない選択肢はあり得なかった(写真はイメージです)。Photo by iStock
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「もちろん予定外だったけど、産まない選択肢はありませんでした。元夫も、私がそう言うなら、と覚悟を決めてくれました」
未成年同士のカップルである。両家の親たちも交えて話し合い、2人の将来を考えて、どちらも学校は続けること、籍は入れるが経済的基盤ができるまでは同居せず、それぞれの実家で暮らすことが決まった。
「私は1年間、学校を休学しました。学校は、戻れるのだったら戻ってきていいよというスタンス。悩みましたが、資格取得を諦めるのは悔しかったので、出産して数ヵ月で復学しました」