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社会党と共産党、違いを説明できますか?ーー戦後左派の源流を探る

「リベラル」に不可欠な教養
日本の左翼は何を達成し、なぜ失敗したのか?ーー忘れられた近現代史をたどり、激動の時代に求められる「左翼の思考」を問い直す新刊『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960』が刊行されました。日本共産党はなぜ今も生き残り続けているのか? その正体とは? 池上彰、佐藤優両氏が語ります。

共産党とは何者か?

池上 では、対談の大前提になる知識として、戦後の左翼運動の二大拠点である共産党と社会党について、その成り立ちや性質の違いについて簡単に整理しておきましょうか。今となっては、現在の社民党と共産党では一体何が違うのか分からないという人も多いでしょうから。

まず共産党について説明すると、正式名称は「日本共産党」。戦前の1922年7月15日に、日刊紙『萬朝報(よろずちょうほう)』の元記者で、日本で初めてマルクス・エンゲルスの「共産党宣言」を翻訳したことで知られる堺利彦ら8人の社会主義者たちが、ロシア革命のような社会主義革命を日本でも実現するために結成しました。

結党数ヵ月後には、社会主義革命を推進するための国際組織「コミンテルン」に加盟し、「コミンテルン日本支部 日本共産党」となります。

私有財産制度を否定し君主制(天皇制)の廃止を掲げる共産党の主張は当時の日本政府にとって容認できないものでした。

政府は共産党結党翌年の1923年に関東大震災後の混乱を受け緊急勅令を公布して共産党の取り締まりに当たり、1925年には治安維持法を制定して弾圧しました。

戦後は合法政党となり、全国に約27万人(2019年時点)の党員を抱え、衆議院に12、参議院に13の議席を占めるに至っていますが、現在も革命政党であることを綱領で謳っています。

日本共産党・志位和夫委員長(photot by gettyimages)

ただし現在の日本が必要としているのは社会主義革命ではなく、「異常な対米従属」と「大企業・財界の支配」を打破して、日本の真の独立を勝ち取り、政治・経済・社会の民主主義的な改革を実現することだと主張しています。

この民主主義革命を資本主義の枠内で行うことが当面の使命というわけですが、これをどう受け取るべきなのかについては、後で佐藤さんから詳しく説明があるでしょう。

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