指導力のない「パパコーチ」が子供のやる気をなくさせる

ほめて伸ばすコーチング(6)
林 壮一 プロフィール

サッカー王国アルゼンチンの育成方法

ボールを蹴る、止める、の基本技術から始まり、ベビーフットボールでもアルゼンチンならではの激しいサッカーが求められる。マラドーナやメッシのイメージから、アルゼンチンにはテクニシャンが揃っているような印象があるが、ベースは肉弾戦だ

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国民性として、幼い頃から勝つことにこだわります。闘いを制さなきゃダメだ、という考え方です。タックルされて倒れているようじゃ勝てない。蹴られてもプレーを続けて、ゴールを目指す。1対1でも2対2でも、ボールを奪われずにシュートまでいく。ベビーフットボールの段階から、そんなサッカーを覚えていくんです。体の使い方、ぶつけ方も理解します。競飛王はベビーフットボールと並行して、10歳から11人制のチームにも入ってプレーしました。週に5回は練習か試合がありましたね。

 

また、子供たちは、ポートレイロと呼ばれるストリートサッカーも、日が暮れてボールが見えなくなるまでやります。子供同士のミニゲームでも、判定が間違っていたら喧嘩になります。『フリーキック早く蹴れよ!』なんて言葉が飛び交っていますよ。そうやって、メンタルも当たりにも強くなるのです」

プロサッカー選手を目指すアルゼンチンの子供たちは、13歳から様々なチームの下部組織を受験し、サバイバルを味わう。毎年、契約更新できる選手と、「もうキミはウチにはいらない」とクビを切られる選手がいる。通常、20歳までにプロ契約を結べないと解雇され、他のチームを探すしかなくなる。

「プロの下部組織なら、各学年におよそ30名の選手がいます。AチームとBチームに分かれて、毎週土曜日がAチームのリーグ戦。ベンチには入れても試合に出られなかった子は、翌日曜日のBチームの試合に出場できます。

アルゼンチンでは小学生の頃から厳しい競争があって、どんなクラブチームのセレクションに合格しても、1年契約です。1年で結果が出せない子は、翌年『さようなら』を告げられます。でも、契約更新されなかった子も、トライアウトに不合格だった子も、諦めなさいということじゃない。誰でも入れるスクールやアマチュアの地域クラブがあって、力をつければ認められます。どのチームもきちんと勉強して、AFAのライセンスを持ったコーチが指導します。そこに日本との違いがあるんですね。また、20歳でプロになれなかった場合も、3部リーグとかアマチュアのクラブでプレーして、プロに這い上がるケースもあります。ボリビアやチリ、エルサルバドルの2部のチームと契約する選手もいますね」

▽『ほめて伸ばすコーチング』は発売中! WEBでは紹介できないエピソードも満載です。
レッドカード1    日本の常識は世界の非常識
レッドカード2    その暴力、犯罪です
レッドカード3    夢をつみとる大人たち
レッドカード4    子供は命令では動かない
レッドカード5    問題だらけのパパコーチ
レッドカード6    なぜ日本人は「バックパス」するのか
未来への提言1    練習は「量より質」
未来への提言2    スポーツが非行を防ぐ
未来への提言3    ジョン・ウッデン「成功のピラミッド」に学ぶ
未来への提言4    スーパースターからの伝言
未来への提言5    組織を変えるより個人の意識を変える
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