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“学ばない”無能な指導者が奪う、子どもたちの未来

ほめて伸ばすコーチング(4)
皆さんには、人生を決定づけた監督やコーチとの出会いがあっただろうか? あるいは、あなたのお子さんにはそのような存在がいるだろうか。日本のスポーツ界に目を向けると、哀しいかな確たる理論も持ち合わせず、未だに鉄拳を用いる指導者が存在する。
日本のスポーツ界は変わらなければいけない。6月18日に発売される『ほめて伸ばすコーチング』から一足早く、スポーツ環境の改善に役立つ提言を公開。>今までの連載はコチラ

大阪市立桜宮高校バスケ部事件

2012年12月23日、大阪市立桜宮高校バスケットボール部のキャプテンだった17歳の男子生徒が自ら命を絶った事件は、日本の高校運動部の在り方を巡って大きな波紋を呼んだ。少年は顧問から過剰な体罰を受け、追い詰められていた。私が本件を知った折、憤りを覚えながらも、日本のバスケットボール界でなら大いにあり得ることだと感じた。

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高校生選手を自殺に追い込んだ顧問は、日本体育大学を卒業後、体育教師となった。少年が死を選んだ前日、この教師は練習試合中にコートに入ってキャプテンを追い掛け回し、20発もの平手打ちを浴びせている。

少年の自殺後、この体育教師は傷害と暴行で起訴されるが、初公判で検察から「口が血まみれになっても殴っていた」ことを指摘されている。また、まるで反省の色を見せないまま、生徒が亡くなった13日後に遺族に電話をかけ、指導現場への復帰を許してもらえるか? と尋ねている。

 

2013年9月5日に行われた初公判で同顧問は、被害者少年の母親から「何を考えて殴ったのか」と問われ「指導です。強くなってほしいと」とつぶやくように答弁した。「自分も叩かれて育った。体罰で成長し、伸びた選手がいた」とも話した。

公判では、彼が教師になりたての頃からずっと暴力指導を続けていたこと、そして、桜宮高校に同僚教師として勤務していたこの体育教諭の妻も体罰を容認していたことが明らかになっている。

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