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長谷川滋利が「甲子園は炎天下で死者が出るまで変わらない」と断言するワケ

ほめて伸ばすコーチング(3)
皆さんには、人生を決定づけた監督やコーチとの出会いがあっただろうか? あるいは、あなたのお子さんにはそのような存在がいるだろうか。日本のスポーツ界に目を向けると、哀しいかな確たる理論も持ち合わせず、未だに鉄拳を用いる指導者が存在する。
日本のスポーツ界は変わらなければいけない。6月18日に発売される『ほめて伸ばすコーチング』から一足早く、スポーツ環境の改善に役立つ提言を公開。>今までの連載はコチラ

「日本式システム」を「おかしい」と感じることもなかった

プロのアスリートとして日米両国で活躍し、アメリカで子育てを経験した男。しかも高校球児でもあった長谷川滋利(52)。

アナハイム・エンジェルス時代の長谷川滋利氏
 

長谷川は、東洋大学附属姫路高校時代に3度甲子園に出場し、立命館大学を経てオリックス・ブルーウェーブに入団。先発投手として6シーズン過ごした後、メジャーリーガーとなり、アナハイム・エンジェルス(現ロスアンジェルス・エンジェルス)で5年、シアトル・マリナーズで4年プレーした。長谷川は2020年の夏の甲子園が中止されたことをプラスに捉えるべきだ、と語った。

「甲子園で活躍したスター投手の大半が、その後の野球人生でケガに苦しみ、肘や肩にメスを入れています。無論、それは連投や連戦に起因するものです。僕も高校時代は、毎日500球くらい投げることもありました。500球を1週間連続なんていうメニューでした。大会が始まったら、予選では、まずブルペンで60球投げて、ゲームで100球以上投げる。だから1試合で200球から300球投げなければいけない。そのためには、一日に500球投げておくべきだという考え方だったんです当時は、それがおかしいとも感じませんでした。箸が持てなくなったこともありました」

その結果、30歳くらいになってから肩の痛みに悩まされることとなる。

「肩は消耗品です。ドクターによっては、『肩は一生のうち、投げられる球数が決まっている。無駄な球数使ってどうするんだ』という方もいるほどです。僕の場合は軟投派だったので、まだ良かったのですが、ストレートを主体とする本格派がそんなことをしたら、間違いなく故障に繋がります。本来ならメジャーで15年やれる投手が、10年くらいで終わってしまう。年間10億円以上稼げた選手なら、それをあなたたち補償できますか? という話ですよ。甲子園に人生の全てを懸けて、擦り減らせる必要はないんです。10代で大きなプレッシャーを感じながら大舞台で投げることに、少しはプラス面もあるでしょうが」

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