菅義偉に首相はムリだった。なのに、なぜ「菅降ろし」が起きないのか

麻生、安倍…自民重鎮の策動「全内幕」
戸坂 弘毅

カギは「安倍・麻生」の絆

安倍は自らに不都合な情報を握る菅を恐れている。そのため、菅政権を全面的に支える姿勢を見せることで、菅を宥める。同時に、衆院選後の菅続投の可能性が少しでもある以上、政局的な観点からも早めに菅支持を明言しておいて損はない――こう安倍が考えたとして、頷けないことはない。

だが、安倍が菅続投支持を明言したのには、もう一つ大きな理由がある。それは、盟友である副総理・財務相の麻生太郎との連携の維持だ。

 

安倍と麻生の絆は深い。ともに母方の祖父が元首相という名門に生まれた政界サラブレッドであり、自民党内でも右寄りに位置する保守派であるという共通項もある。

かつて森友学園問題等で安倍政権が窮地に立っていた時、側近たちが「麻生氏は政権を支えるふりをして裏で安倍首相の足を引っ張り、自らの首相再登板を狙っているのではないか」と相次いで安倍に警戒を促したことがある。ところが安倍は、「麻生さんは後ろから鉄砲を撃つような卑怯な真似をする人ではないよ」とそれを一蹴した。安倍の麻生に対する信頼は極めて厚い。

安倍は66歳と首相経験者としてはまだ若い。首相在任中から、退任後少なくとも10年は、最大派閥の領袖として政界で影響力を行使したいとの意向を度々漏らしてきた。

その安倍にとって麻生は数少ない信頼できる盟友であり、絆を維持することは極めて重要だ。最大派閥のトップである自分と第2派閥のオーナーである麻生が組めば、政局の主導権を握り続けることができるからだ。

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