若者がいよいよ「大企業」「公務員」を見限りはじめている…その「本当の理由」

「転職前提」の若手が増えてきた
前川 孝雄 プロフィール

社会人6年目で初めて転職したT君。新卒で就職したのは中小企業ながら、創業経営者の社会貢献への経営理念が浸透した会社で、人材育成にも熱心だった。T君は順調にキャリアアップし、管理職候補になっていた。

会社にも、仕事や収入にも大きな不満はなかったものの、30代以降を考えると今の会社ではこのまま幹部を目指すことになるが、事業規模から活躍できるステージは限られてしまう。30代半ば以降は転職先も限られると悩んだ結果、より大きなステージで自分の実力を試そうと大企業への転職を決断。何より社会の公器とされる上場企業であれば、キャリアアップにふさわしい経験を積めると期待したのだ。

一般的には、中小企業から大企業への転職は高いハードルがあるものの、T君のこれまでの実績が評価され、かつぎりぎり第二新卒枠に該当していたこともあって、大手上場企業への転職は成功した。

〔PHOTO〕iStock
 

ところが新たな職場で働き始めると、管理体質が強く短期的な営業目標の達成ばかりが求められる毎日に衝撃を受ける。前職でも営業経験があり数字の大切さはわかる。しかし職場では中長期視野での理念やビジョン、顧客に提供する価値についてはまったく語られず、ただただ上からおりて来た目標数字を追う体質に違和感が高まる一方だった。

上司に疑問を訴えるも取り合ってもらえず、中小企業から来た新参者のくせに大企業のマネジメントを批判するのかと、問題社員扱いされそうになり、次第に憔悴。そして転職後半年ほどでメンタル不調になり、結局1年足らずで退職することになってしまった。

A君はその後、キャリアアップの意味や目標も見失ってしまい、しばらく自宅で引きこもりのような生活を送る。少し気持ちが落ち着くと、このままではいけないと、視野を拡げながら、再度就職活動を始める。

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