若者がいよいよ「大企業」「公務員」を見限りはじめている…その「本当の理由」

「転職前提」の若手が増えてきた

新社会人が入社直後に転職サービス「doda」に登録した件数は、10年前と比較して約26倍に増加している――パーソルキャリアは、衝撃的なデータを発表した。近年、若者の公務員や大企業離れが急速に進んでいることを象徴するデータといえる。

その理由について、プライベートを大切にするワークライフバランス志向の高まりとする向きが強いが、青山学院大学で長年教鞭も執り、「eラーニング 新入社員のはたらく心得」も提供する、人材育成支援企業(株)FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏は、問題の本質はそこではないという。若者の転職意向の高まりの背景にあるキャリアと雇用の変化を考察し、企業・組織に警鐘を鳴らす。

 

急速に進む、若者の大企業・公務員離れ

パーソルキャリアの調査によると、2011年から現在までに「doda」に会員登録した人のうち、4月に登録した新社会人の数を集計したところ、10年間で約26倍に増加したという。全体でも約5倍に増加しているが、新社会人の転職意向の高まりはケタ違いだ。

同社は、東日本大震災や、終身雇用の維持は難しいとする大企業経営者の発言など、「はたらく価値観」を揺さぶる出来事に影響を受けたためとし、数年後には、就職活動時から転職を意識する“転職ネイティブ世代”が転職市場に台頭してくると分析している。ちなみに中途採用より新卒採用を重視する大企業や公務員ほど、この傾向は衝撃だろう。

〔PHOTO〕iStock

もっとも、こうした若者の転職意向の高まりは、近年指摘され続けてきた。象徴的なのが、高学歴エリートの人気就職先の代名詞であった国家公務員総合職、いわゆるキャリア官僚の早期離職だ。内閣人事局の調査によると、自己都合理由で退職した20代の国家公務員総合職は2019年度には87人。6年前の21人から年々増加し、4倍を超えている。

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