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ローマ教皇を悩ます「性的虐待問題」…カトリック教会は死点に達してしまったのか

ドイツのマルクス枢機卿が辞任申し出

カトリック教会に激震

6月4日、手元のスマホにすごい勢いでドイツのニュース速報が入り始めた。ミュンヘン/フライジング教区のラインハルト・マルクス枢機卿がローマ教皇に宛てて、枢機卿という位から退く事を認めてほしいというお伺いの書簡を提出していたというニュースだ。

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カトリック教会では、司教の位が教皇の次に高いものだが、その司教の中でも、教皇を直接アドバイスするエリート中のエリートが枢機卿。教皇選出の際の選挙権を持っているのも枢機卿のみとなる。

ローマ教皇が、マルクス枢機卿の辞退を認めるかどうかはまだ確定していないが、これはドイツのみならず、世界中のカトリック教会において地滑り的な動きを引き起す可能性があるということで大騒ぎになった。

日本はキリスト教とはそれほど深い関係がないため、あまり知られていないが、実は、カトリック教会は、ここ数十年、ひたすらスキャンダルに塗れている。カトリック教会の運営する学校や孤児院などで、長年、続いていたらしい暴行や性的虐待の実態が、次々に明るみに出たからだ。

最初の告発は今から30年も前に遡った90年代、アイルランドでのこと。被害者の子供の数は数千人で、1994年には、事件を過小化しようとした首相の首が飛んでいる。

しかし真の問題は、それがアイルランドだけに留まらず、瞬くうちに全世界に広がったことだった。2001年にはアフリカの修道女たちまでが、司教を含む修道僧による集団的な性的暴力にさらされていたことが分かったし、米国では何千人もの被害者が賠償を求めて裁判に訴え始めた。

米国の司教会議の発表では、同国で1950年から2002年の間に犯行に関わっていた教区は全体の95%、犯行に手を染めていた聖職者は全体の24%にも上った。判決が出た後、多くの司教区が多額の賠償金を払えず、破産したほどだ。

 

それどころか2018年、南米のチリでは収拾がつかなくなり、司教会議に参加した聖職者全員が司教の地位をバチカンに一旦返上し、ローマ教皇に、新たに人選を委ねるという過激な方法をとった。

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