大切な場、コロナ禍でも続ける

香瑠鼓さんは、こうしたバリアフリーのメンバーとカンパニーを作って公演したり、映画に出演したりと積極的に活動してきたが、やはりコロナ禍の影響を受けている。

「昨春の緊急事態宣言の期間以外は、ほとんど毎日、スタジオを開けて、小人数でレッスンやワークショップをしています。オンラインレッスンも、早い段階で取り入れました。障害あるメンバーは、20人ぐらいレギュラー参加していました。今、スタジオのバリアフリーワークショップには、そのうち7人ぐらいが来ています。5人ほどは、オンラインでレッスンをしています。残りの人は、参加できなくなってしまいました。 

お母さんがナーバスになって引きこもってしまったり、集団感染のリスクによって施設から出られず、家族にすら会えない人もいたり。けれど、つながりのある人は、オンラインイベントに出演し、表現する場もあります。4月の私の誕生日ライブでは、スタジオで5人ずつに分かれて距離をとり、踊りました」

障害があるメンバーは、2メートルのディスタンスを取るのも難しく、マスクをとってしまう人もいるという。

「いろいろなことが起きるので、大きなイベントは難しいです。でも、バリアフリーワークショップは、どんなことがあっても続けていきたいと思っています。先日、スタジオに来た障害のある子が泣き出して。聞くと、職場でみんながコロナへの不安を持っていて、それを感じ取って、かなりのストレスだったようです。

すると、周りのメンバーがハンカチを持ってきて励まし、うんうんって受け止めていました。ハンディのある人たちが、仲間と支え合い、『家ではこんなことは言っていなかった』と、付き添ってきた家族が本音を聞いてびっくりすることも。家族の皆さんも、こういう場があることで安心します」

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人の評価を気にしなくていい…輝く結衣ちゃんで

折しも、6月11日は、新垣結衣さんの誕生日。新たな人生を選ぶ「結衣ちゃん」に、長く活躍してきた香瑠鼓さんからメッセージがある。

「私は心の傷を持つ人、障害のある人、いろいろなバリアフリーメンバーと接してきました。私は彼らに対して、『人の評価を気にしなくていい。完璧にならなくていい』と言っています。そうすると彼らは、踊っているだけで楽しいと感じ、好きだからその瞬間、一生懸命になります。そして、そのパフォーマンスはすごい。彼らのそんな姿に、周りの人が感動する様子を見てきました。

結衣ちゃんも、そのように輝ける女優さんなのではないでしょうか。ポッキーダンスの時も、一生懸命、無我夢中で嘘のない表現をして、輝いていました。

結衣ちゃんは、結婚を機に仕事のスタイルが変わっていくかもしれませんが、これからも、瞬間に集中して自分を輝かせることのできる、結衣ちゃんの良さを大事にしてほしいです。完璧じゃなくていい。人の評価を気にしないで、好き、楽しいという気持ちで輝いてください」

障害あるダンサーと出演した映画「踊る!ホラーレストラン」写真提供/オフィスルゥ