25年の付き合い…障害者の輝き

芸能界の一線で振付の仕事をしてきて、64歳になった今も、自ら踊り、歌う。そんな香瑠鼓さんが1996年から大切にしているのが、障害のある人や生きづらさを感じる人たちとの「バリアフリーワークショップ」だ。

「Winkや結衣ちゃんの気持ちがわかります。私は子供の頃は、とてもシャイでした。小学生の時に行ったキャンプで、自然の中で過ごして変わりました。早稲田大に進み、ミュージカルのオーディションに受かって、芸能の世界に入りました。私の妹はプロデューサーで、足に障害があります。妹が声をかけた障害のある子たちが、私の公演に来てくれて、ダンスをやりたいと言われ、バリアフリーワークショップが始まりました」

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筆者も、バリアフリーワークショップに参加したことがある。即興で踊ったり、擬態語に合わせて動いたり。香瑠鼓さんは、感性で動くように見えて、根底には、「脳と心と身体が変わる」メソッドがあるという。楽しみながら表現力を高め、コミュニケーションをとりやすくする。車いすのユーザーも参加していて、付き添う家族の悩みを受け止め、明るく言葉をかける香瑠鼓さんの姿が心に残っている。

「ある女性とは25年間、ワークショップで一緒に過ごしています。彼女は発達障害があり、当初、私は彼女に、笑う・笑わないぐらいの感情表現しか指示できなかった。でも数年前にバリアフリー映画を撮影した時のことです。草原の中、ソロの彼女が即興で踊るシーンが実現し、感動的でしたね。

私は障害のある人とコミュニケーションするとき、言葉やダンスの表現が難しい場合は、擬態語を使います。例えば『さらさら』と擬態語を言いながらだと、動かなかった手が動くこともある。意味を求めなくていい。彼らの踊りは、この瞬間、生きていてよかったという喜びにあふれています。

生まれながらの障害もあれば、精神的な病気、生きづらさもあり、ハンディは様々です。バリアフリーワークショップでは、ダンサーや一般の参加者も含め、分け隔てなく、みんなが表現者。尊敬しあって、輝く場です」

コロナ禍のワークショップ 写真提供/オフィスルゥ