ミャンマー市民が少数民族武装組織と共闘、軍政との「内戦」に発展する可能性

ロヒンギャ組織にも連携を呼び掛け
大塚 智彦 プロフィール

少数民族武装組織と市民の共闘

最近は軍や警察による反軍政デモ、活動家の逮捕、実力行使の報道が減少しているようだ。主要都市ヤンゴンでは、軍政が民政の安定を内外に示すために要求したことや生活困窮などの経済的理由から、商店や飲食店、市場などが続々と再開、経済活動が活発化している。

とはいえ、ゲリラ的な反軍政運動やデモは各都市で散発的に行われ、それに伴う犠牲者も出ている。

6月5日には南部エーヤワディの村で治安当局の銃撃により市民20人が死亡した、と地元メディアが伝えた。軍は「村で手製の銃や爆弾を製造しているとの情報に基づいて行った。死者は3人だ」と主張しているという。

この衝突で市民側は手製の催涙弾を使用して反撃したとも伝えられており、これまでの非武装・無抵抗の反軍政運動が、市民の「武装化」により、今後は武装闘争として激化する懸念も高まっている。

さらに複数のメディアの報道によると、ミャンマーの若者が最近、ヤンゴンから南部カレン州のジャングル地帯に潜入して、「カレン民族同盟(KNU)」の戦闘員から銃の使い方や戦闘の訓練を受け、武器の供与を受けて都市部に戻っている状況が伝えられている。

同じようなことは北部カチン州の「カチン独立軍(KIA)」でも行われているとみられ、軍による一方的な反軍政市民への「虐殺行為」「人権侵害行為」に抵抗するために、市民が少数民族武装組織の支援を得て共闘する構図が浮かび上がっている。

 

こうした動きは、軍政による安全安定のアピールの裏側で、本格的な武装衝突、そして内戦への危険が高まっていることを示しているといえ、表向きは平静を保ちながら軍によるさらなる弾圧の危険も指摘されている。

ミャンマー情勢は緊張がこれまで以上に高まっており、依然として目が離せない状況が続いている。

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