ミャンマー市民が少数民族武装組織と共闘、軍政との「内戦」に発展する可能性

ロヒンギャ組織にも連携を呼び掛け
大塚 智彦 プロフィール

NUGがロヒンギャ組織に連携を提案

こうした軍政の動きに対応してNUGは、軍による「民族浄化」とさえ言われた西部ラカイン州に多く住む少数イスラム教徒ロヒンギャ族に対して、「反軍政での連携」を呼びかけている。

軍の弾圧を逃れた70万人以上のロヒンギャ族は国境を越え、現在も隣国バングラデシュのコックスバザールなどの難民キャンプで不自由な生活を余儀なくされている。

〔PHOTO〕gettyimages

ミャンマー政府はこれまでロヒンギャ族に対してミャンマー国籍や市民権を付与することを拒否してきた経緯があり、ロヒンギャ族も当然、ミャンマー軍とミャンマー政府には大きな不信感を歴史的に抱いてきた。

2月1日のクーデターでスー・チーさんの拘束が伝えられると、ロヒンギャ族からは歓呼の声が上がったとさえいわれている。

しかし、軍政に対抗するには「全ての民族による結束」が不可欠として、NUGはバングラデシュの難民キャンプに滞在するロヒンギャ族に対して「いつの日か政権を取り戻したら、市民権付与を約束する」との条件を提示して反軍政での連携を呼びかけているという。

これに対しロヒンギャ族関係者は、「ミャンマー政府には何度も裏切られてきた、そう簡単に信用するわけにはいかない」としながらも「連携の提案を歓迎する」との立場をメディアに示しているという。

ただ、ラカイン州には多数派の仏教徒住民が多く、そして仏教徒ラカイン族の武装組織「アラカン軍(AA)」が依然として活動していることから、ロヒンギャ族側も「将来のミャンマー帰還の障害になりかねない」と警戒心を抱いており、NUGの今後の対応策が注目されている。

 

ちなみにミン・アウン・フライン国軍司令官の軍政はロヒンギャ族を「ミャンマー国民ではない」として、国内での在住を認めない立場を示している。

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