男性の遺体から「赤ん坊」の死体が出てきた…昭和の日本を揺るがした猟奇事件の全貌

医師はなぜ赤ん坊を埋めたのか
穂積 昭雪 プロフィール

どの記事も帝銀事件より扱いは小さいものの、一度見たら忘れられないであろう強烈な見出しが並んでおり、当時この事件に強い関心を示した東京都民は非常に多かったと思われる。

現に、写真記事を中心にした東京ローカル紙「サン写真新聞」(毎日新聞の系列夕刊紙)は、帝銀事件とほぼ同じスペース分の記事を用意し、掲載。大阪で発生した「女王丸事件」(1月28日、大阪港~多度津港間を結んでいた連絡船「女王丸」が沈没。200名近くが行方不明になった事件)と併せて報道され「全国で怪奇事件が発生」と報じられている。

 

看護師は語る

話を「嬰児縫い込み事件」に戻そう。最初の報道から一日が経過した1月30日の新聞紙上では「共犯者がいなかったか」「内臓の無断摘出は果たして罪になるのか」という2点が議論されている。

前述の通り、松木助手は「腹の中の水を取るために腹を切った」と遺族に虚偽の説明をしており、死体損壊罪などの罪に問われる可能性が高かった。なお、共犯者に関してはおらず、松木助手が一人で立てたプランだった。もっとも、手術には立ち会った人たちが複数おり、(嘘の報告に基づいて許可を出したと見られる)彼の上司にあたる医学博士の執刀医が監修する形で手術が行われたことをサポートした看護師が証言している。

なお、この看護師の話によると「内臓を抜き、空洞になったスペースに嬰児の赤ん坊の死体を入れる」というプランに対しては、サポートに入ったほかの助手や看護師も含め松木助手に反対する者はいなかったという。

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