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# 脱炭素

習近平、バイデンがにらみ合う…「脱炭素」は世界の「覇権構造」を激変させ始めていた…!

2050年までに脱炭素社会の実現を目指す「改正地球温暖化対策推進法」が2021年5月26日の参議院本会議で可決成立した(全会一致)。与野党問わず、すべての党派が法案に賛成したのは、脱炭素をめぐる国際情勢が厳しさを増しているからである。

国内では脱炭素について単なる環境ビジネスの問題と認識する人も多く、産業界の対応ばかりに関心が集まっているが、こうした安易な認識は危険だ。脱炭素シフトの本質は国家覇権をめぐる激しい争いであり、近い将来、地政学的な世界秩序を激変する可能性を秘めている。

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石油を通じた米国による世界支配の枠組み

菅義偉首相は2020年10月、首相就任後の所信表明演説において、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする方針を示した。日本にとっては大きな変化だったが、あくまでも政権としての方針を表明しただけであり、状況が変わる可能性もあった。

実際、安倍政権は当初、脱炭素に積極的なスタンスを示し、「日本が環境技術で世界をリードする」と主張していたが、トランプ大統領に忖度したのか、事実上、脱炭素の方針を撤回。2050年までに80%削減という緩い目標しか掲げなかった。

 

今回の法改正における最大のポイントは、2050年までに脱炭素社会を実現すると明記されたことである。政権にかかわらず、国家として日本が脱炭素に向けて本気で取り組む姿勢を内外に示した格好だ。

日本国内ではいまだに脱炭素に対する懐疑論や、日本企業を狙い撃ちにした欧米の策略であるといった、平和ボケした意見が多いようだが、現実はもっと厳しい。脱炭素シフトは、地政学的な世界秩序を激変させる可能性を秘めており、ここで下手を打てば企業が損をするといったレベルではなく、国家の基盤そのものを揺るがしかねない。

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