視聴者からのリクエスト企画も取り入れている金曜ロードショー。先日は1986年『スタンド・バイ・ミー』が放映され、『グーニーズ』『ネバーエンディング・ストーリー』『グレムリン』と80年代の人気作品が今後も続くという。そして、2020年のリクエストでダントツの得票数を取り、シリーズ3作が3週連続地上波で再放送されたのが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』である。文句なしに80年代を代表する作品だ。

この主人公マーティ役で大ブレイクしたマイケル・J・フォックスは1961年6月9日生まれ。つまり2021年で60歳の誕生日を迎えた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では24歳で高校生の役を演じており、永遠の若キャラだったマイケルが還暦……。

マイケルの60歳を記念して、2020年11月に刊行した著書で「二度目の引退宣言」のような文章を寄せていたマイケル・J・フォックスを秘蔵写真と共に振り返る。

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『罪の声』の1980年代

小栗旬さんや星野源さんの名演が話題となった映画『罪の声』(2020)は、1984年のお菓子メーカー社長誘拐事件を筆頭に起きる劣悪な連続脅迫事件に巻き込まれた「子どもたち」の姿にフォーカスした作品だ。
その「子どもたち」の一人に、15歳の望ちゃんという女の子がいる。彼女は映画の字幕翻訳家になるのが夢で、突然放り込まれた辛い境遇の中でも、捨てられた映画雑誌を拾ってむさぼり読み、その境遇から抜け出て夢を諦めない決意をする。

その望ちゃんが読んでいたであろう映画雑誌「スクリーン」や「ロードショー」の人気コーナーのひとつが「人気ランキングベスト10」だった。80年代、「ロードショー」では、男性はジャッキー・チェンが最強で、毎月1位を独占していた。女性はダイアン・レインやソフィー・マルソー、フィービ・ケイツが1位を争い、そこにニューフェイスとしてジェニファー・コネリーが入ってきたような時代だった。

しかし、そのジャッキー神話が揺らいだのが、1985年だった。
そう、1985年12月7日、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が日本で公開となり、マイケル・J・フォックス旋風が巻き起こったのだ。

1985年12月7日に日本公開となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』Photo by Getty Images
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日本ではほぼ無名だったけど

日本では映画の公開まで、主人公のマーティ演じるマイケル・J・フォックスのことを全く知らない人が多かったのではないだろうか。アメリカでは1982年から放映のドラマ「ファミリータイズ」のアレックス・キートン役で人気が出てきており、それが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』につながったそうだけれど、日本では放送されていなかったからだ。

『ファミリータイズ』シーズン1 Photo by Getty Images

映画の中では、本当は母親である過去のロレインがマーティに一目ぼれするのと同じように、夢中になった人がたくさんいた。アメリカでは1985年夏に公開されていたマイケル・J・フォックスの主演映画『ティーン・ウルフ』では、マイケルは高校生のバスケ部員、実は狼男の血統で、怒ると狼男になるという青春コメディで、なかなかのB級映画だったが、アメリカでも8000万ドルの興行収入を稼ぎだしたほどだ。