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“CD時代の申し子” B’zが「音楽サブスク時代」でも輝き続けるワケ

30年超の受容の歴史をひも解く

サブスク解禁という“最大級の出来事”

5月21日、B’zの全楽曲のストリーミング配信が開始された。松本孝弘と稲葉浩志のソロ作品も加えて、楽曲の数は計880曲。近年大物アーティストが徐々にサブスクを解禁してきたが、その中でも「最大級の出来事」と言っていいのではないかと思う。

何しろB’zは日本で平成に入って最もCDを売ったアーティストである。オリコンが2019年4月に発表した「オリコン平成30年ランキング」の「アーティスト・トータル・セールスTOP10」において、B’zは累積売上8262.4万枚で堂々の第一位。しかも、2位のAKB48、3位のMr.Childrenに2000万枚以上の差をつけての圧勝だったのだ*1

つまり、B’zは平成という時代の、CD時代の象徴的なアーティストなのであり、その彼らが令和という時代を迎え、サブスクを解禁したということからは、明確な時代の変化を感じざるを得ない。

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前述のランキング発表時、松本が「僕達がB’zを結成し実際に楽曲制作を始めたのは1988年5月頃だったと思います。オリコンさんのシングル、アルバムウィークリーチャートの左ページ(1~50位)に入るのが、当初大きな目標でした」 とコメントしている通り、B’zというグループは、はじめからチャートでの成功を目指してスタートをしている*1

TM NETWORKや浜田麻里のサポートなどですでに実績のあった松本が、自らのバンドを結成するためにメンバーを探す中で稲葉と出会い、シングル『だからその手を離して』、アルバム『B’z』でデビューしたのは、市場の中心がアナログレコードからCDへと移ったタイミングの1988年9月21日。この数か月後に、元号が昭和から平成へと変わっている。

当時の音楽は打ち込みを用いたダンサブルなイメージが強く、これはTM NETWORKに代表される当時の日本の音楽シーンのトレンドを意識したもので、この路線でブレイクした後に、徐々に2人の共通のルーツであるハードロックやブルースといった音楽性の色合いを強めていく。

また、1980年代は「バンドブーム」の時代でもあったが、彼らはライブハウスには出演せず、最初からホール規模でのライブを目標とし、「アルバムを2枚出すまでツアーはやらない」 として*2、実際に彼らが初めてツアーを行ったのは、2枚目のアルバム『OFF THE LOCK』のリリース後だった。

それまでの彼らは「キャンペーン」という形で各地を回っていて、ここでは「2人組」という機動力の高さが物を言い、「当時はカラオケで歌うことも多かった」と、後に自らネタにしていたりもする。

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