「まるで津波…」 梅雨の時期に知っておくべき“津波洪水”という新脅威

水害から命を守る
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命守るには“安全な場所を知ること”が大事!

なぜこれほど大規模な洪水、“津波洪水”が起きたのか。その最大の原因は、一度の豪雨で降る雨の量の多さです。昨年の豪雨の24時間降水量を昭和40年に球磨川流域で起きた豪雨と比較してみました。

昭和40年豪雨では降水量は最も多い場所で300mmほどであったのに対し、令和2年7月豪雨では流域のほぼ全域で300mm以上、中には500mm以上という場所までありました。

治水の専門家で豪雨についても詳しい熊本県立大学特別教授の島谷幸宏さんは、気候変動の影響で海面水温が高くなっているため、蒸発する水蒸気量が多くなり、線状降水帯による雨量も多くなっていると指摘します。

24時間降水量の比較/出典:令和2年7月球磨川豪雨検証委員会
 

こうした状況から、島谷さんは従来のハザードマップでは近年の豪雨に対応できなくなっているといいます。

「ハザードマップが対象にしていたのは100年に1度の大雨だったが、もう少し大きな規模の洪水が考えられるので、対象とする洪水を大きくしなければならない。さらに、水深だけが出ているが、流速も表現できるようなハザードマップへ転換する必要があります」

今大事なことは自分の住んでいる場所の危険度がどの程度あるのかを知ることによって、地域の中でより安全な場所を見つける作業だと島谷さんはいいます。

そうした対策のために使えるのが、1000年に1度の大雨が降った場合にどのくらいの深さの浸水が起きるのかを予測した「浸水想定区域図(想定最大規模)」です。これは国土交通省の河川事務所や都道府県がホームページなどで公表しているもので、従来のハザードマップと比べると、浸水予想範囲が拡大。場所によっては、ハザードマップで1~2mの浸水予測だったのに浸水想定区域図では、最大20mほど浸水する可能性があることが示されています。「浸水想定区域図(想定最大規模)」を反映した全国のハザードマップは、NHKの防災HP(https://www.nhk.or.jp/kishou-saigai/hazardmap/)からも見ることができます。

従来のハザードマップと浸水想定区域図/NHK提供
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