男女の賃金格差は世界的に問題になっているが、先進国の中でも特に深刻なのが日本と韓国である。今年2月に出版された、韓国のフェミニスト、イ・ミンギョンによる著書『失われた賃金を求めて』は、女性が男女の格差がなければもらうはずだった賃金について徹底的に追求したものだ。本書に「解説」を寄稿した労働団体職員でライターの西口想さんがこの問題の本質について考察する。

-AD-

日本の女性の賃金は男性のおよそ半分

今年3月末、世界経済フォーラムから「世界ジェンダーギャップ報告書2021年版」が公表され、そのジェンダーギャップ指数ランキングで、日本は156カ国中120位(昨年121位)となった。

この「ジェンダーギャップ指数」は、経済・教育・保健・政治の4分野14項目の総合スコアで作成され、0が完全な不平等、1が完全な平等を示す。私は労働団体で働いていることもあって、働く環境を直接反映した「経済」のスコアをまずチェックする。
ジェンダーギャップ指数の「経済」、正確には「経済的参加と機会」の日本のスコアは0.604で、156か国中117位だ。全5項目のうちで足を引っ張っているのは「男女の賃金格差」(指数0.563、101位)、「議員・高級官僚・管理職の女性比率」(指数0.173、139位)、「専門職・技術職の女性比率」(指数0.699、105位)の3項目である。

賃金格差の指数0.563は、女性の賃金は男性の賃金の56.3%しかないことを意味している。リーダー層や専門職が賃金水準を引き上げる人々だ。それを踏まえると、賃金格差にこそ経済的なジェンダーギャップが集約されていると考えてよい。あらためて見てもショッキングな数字だ。