ペットブームが起きると悪徳業者が増える

こういった劣悪な飼育環境に動物レスキューに入ることがある浅田さんは、過去にネズミやよくわからない小さな虫が走り回っていた現場もあったと話す。

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不潔な場所に閉じ込められたまま病気になって、お腹に腫瘍ができても放置されていた犬もいたという。これらの母犬の中にはボランティア団体にレスキューされて治療を受けることができたものもいるが、発見されなければそのまま死んで放置されたり、多くがよくわからない形で処分されているというのが現状だ。

ネズミやよくわからない虫が大量発生していた現場も。写真提供/浅田美代子

「この繁殖業者の人たちは、母犬に対して愛情のカケラもない。商売の道具としか思っていない。こんなところでただ子供を何度も産まされて、そして、そんな辛い状況にいる母親から生まれた子たちがペットショップで何十万円という値段で売られている。これが日本のペットビジネスの現実。残念ながら、日本ではこのようなひどい繁殖場が決して少なくないのが現状です。

この状況を許しておくわけにはいかないし、なんとか改善していくためには、きちんとした法律を作って取り締まってもらうことが必要だと思っています。杉本さんもそのためにこれまで散々、法改正のために行政やペット業界と戦ってきているけど、お互いに満足のいくゴールまでは、まだ遠い道のりですね……」(浅田さん)

チワワやプードルなどは光が入ることがない狭いケージに何頭も入れられ繁殖させられていた。彼らはなでられた経験もなく、狭いケージの中で繁殖させられ、一生を終える。写真提供/浅田美代子

そして今、コロナ禍でお家時間が増えたために、触れ合える新たな家族をと、ペットの需要が増えている。それによって、犬や猫の値段が高騰し続けている。

「自粛生活が続く中でペットがどんどん売れて、オークションでは値段がコロナの前と比べて倍以上になっているようです。あるショップでは、人気のスコテッシュフォールド(猫)が約50万円、トイプードル(犬)は約80万円以上するとか……。

そうやって迎えた大切なペットの後ろに、繁殖場にいるお母さんたちがいることを考えてみたら、どんな気持ちになるでしょうか? そのような現実があることをなんとか伝えていきたいし、ペットショップで売られている子たちはかわいい、のではなくて、かわいそうだと思える世の中にしたいと思って日々、活動をしています。

また、それだけ高いお金を出して飼い始めたのにも関わらず、躾が出来ていない、吠える声がうるさくて驚いた、などの理由で、わずか数ヶ月で安易にペットを捨てる人たちも増えているというのも……驚きです」(浅田さん)

日本の犬や猫をめぐる状況は、まだまだ数多くの問題を抱えている。そして気がつけば、また新たな法改正の年が近づいてきている。二人ともさらに精力的に活動を続けていくことになりそうだ。

文/牧野容子

今回のお話の動画はこちらです。合わせてごらんください。

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後編【浅田美代子と杉本彩が断言。安易に買う人を止めない限り不幸なペットは増え続ける】