浅田さんも街頭でビラ配りを。進まない法改正

「動物の愛護及び管理に関する法律」、いわゆる動物愛護法は、5年に一度、見直されるように定められている。直近では2018年が改正の年だったが、このときの改正に向けて、浅田さんは2017年2月に署名活動をスタートさせた。

2018年の改正の際には、浅田さんは自ら街頭に出て署名活動も行った(2017年12月当時)。写真提供/浅田美代子

浅田さんは「今の法律では動物たちをしっかり守ることができていない。これ以上、不幸な動物を増やさないために、動物虐待の定義をより明らかにして、それに応じた罰則規定を設けてほしい」と訴え、14項目にわたる細かい要望をまとめた。

その中で、たとえば犬猫の繁殖業については「繁殖年齢や繁殖回数の制限」、「ケージなど設備の数値規制」、「繁殖業者の定年制や管理者一人あたりの頭数制限」、「幼齢(生後56日以内)動物の親からの引き離し禁止」などを求めている。

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浅田さん自ら街頭に立ち、道行く人たちに呼びかけ、当時そのことはニュースでも報道された。また、オンラインの署名サイトも立ち上げ、その結果、翌2018年4月までに約20万近くの賛同者が集まり、署名は環境大臣に提出された。

こうして2019年6月に成立した改正動物愛護法(2020年6月1日施行)では、犬猫の繁殖業者などへの規制はかなり強化されることになった。これは浅田さんをはじめ多くの人の声が届いた結果といっても言い過ぎではない。

女優の杉本彩さんも、当時、声を上げた一人だ。杉本さんは2014年2月に動物たちの環境や福祉の向上に寄与することを目的に『一般財団法人動物環境・福祉協会Eva』を設立。ここ数年、二人は動物愛護の活動の場や法改正の議論の場で、アドバイザリーとしてもしょっちゅう顔を合わせている間柄なのだ。

しかし、2019年の改正動物愛護法で、浅田さんや杉本さんらが提示していた改正案がすべて通ったわけではなかった。

さらに環境省令の飼養管理基準においては、悪質な繁殖業者を食い止めるための(1)犬の繁殖回数は6回まで、(2)犬は繁殖業者1人当たり15頭、猫は25頭までに制限、(3)ケージを適切な広さに定める、といった項目に、経過措置がついてしまった。これらの項目が早々に施行され適正に運用されない限り、不幸なペットたちは減らないと浅田さんも杉本さんも訴えているのだ。

写真提供/公益財団法人動物環境・福祉協会Eva
杉本彩さん 女優、作家、ダンサー、実業家、リベラータプロデューサー、公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長。 2014年「一般財団法人動物環境・福祉協会Eva」を設立し、理事長になり、動物愛護活動に力を注ぐ。『動物たちの悲鳴が聞こえる – 続・それでも命を買いますか?』(ワニブックスPLUS)が話題を集め、今月『動物は「物」ではありません! 杉本彩、動物愛護法“改正"にモノ申す』(法律文化社)を出版されたばかり。