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新書大賞に輝いた、マルクス研究者の「人生を大きく変えた本」とは…?

21世紀に、マルクスをどう活かすか?
「新書大賞2021」の第1位に輝いた『人新世の資本論』の著者である斎藤幸平さん。NHKの番組「100de名著」で『資本論』の解説を担当されるなど、新進気鋭のマルクス研究者として大活躍されています。そんな斎藤さんに「人生を変えた本」を伺いました。

学生時代を彩った数々の名著

アメリカ同時多発テロやイラク戦争など、2000年代の初頭はグローバル化の矛盾が次々と噴出した時代でした。高校生だった私も憤りを感じ、問題解決のために研究者になりたいと考えるようになりました。

そんなときに出会ったのが、およそ100年前に書かれた『武士道』(新渡戸稲造著)です。欧米諸国と積極的な外交をするようになった明治期、新渡戸は日本人の道徳的な核心である「武士道」を欧米に知らしめるために、英語でこの本を執筆しました。

 

本の内容そのものよりも、そうした彼のスケールの大きな生き方に心がゆさぶられたのをよく覚えています。私自身も、日本と世界の架け橋になる本を英語で執筆したい。そんな憧れが、アメリカの大学へと進学するきっかけになったのです。

同時期に読んだ『哲学入門』(バートランド・ラッセル著)も、思想家として生きる道を示してくれた一冊です。ラッセルは核廃絶を提唱したり、ベトナム戦争を鋭く批判したりと、現実の社会問題に対して積極的にコミットする「行動する哲学者」でした。

当時のアメリカでは、ほかにもチョムスキーやサイードなど、世界的知識人たちが政府の姿勢を激しく批判していました。彼らの戦う姿勢を見て、自分も社会問題について忌憚なく意見を言う研究者になりたいと思ったのです。

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