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「金正恩は独裁者」は幻想だった…北朝鮮で起きている「金王朝の変質」の正体

北朝鮮エリート層の思惑

金正恩は絶対的な独裁者でなくなっている?

朝鮮労働党が1月に行った第8回党大会で、党第1書記のポストを新設したことが明らかになった。改正された党規約第26条は「第1書記は総書記の代理人だ」と明記した。ナンバー2を置くことを避けてきた北朝鮮にとって異例の事態だ。

「金正恩党総書記の負担を減らす」という目的も、当然あるだろう。だが、北朝鮮指導層の「金正恩1人に任せる場面をできるだけ減らしたい」という思惑が込められた改正とみることもできる。正恩氏はすでに、絶対的な独裁者ではない。

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最近、インタビューした、ドイツのトマス・シェーファー元駐北朝鮮大使も同じ考えだった。シェーファー氏は2007年から10年の期間と、13年から18年にかけての2度、ドイツ大使として平壌に駐在した。シェーファー氏は、正恩氏が権力を継承した直後に会話した「朝鮮語を使う相手」が、最高指導者に対して使うべき敬語を用いなかったことに驚いたという。

日朝関係筋によれば、日本政府も13年から14年ごろにかけ、北朝鮮軍将兵が金正恩氏について敬語を使わないばかりか、バカ呼ばわりしている会話の内容を直接入手していた。同筋は当時、「北朝鮮で、最高指導者の権威がこんなに揺らいでいるのかと思い、驚いた」と語っていた。

そのほかにも、正恩氏が絶対的な権力者であるのかどうか、疑わせるような兆候がいくつも出ていた。2018年4月、正恩氏が板門店で韓国の文在寅大統領と会談した。正恩氏は文氏と屋外のベンチで2人きりで語り合った際、「1年以内に非核化することも可能だ」と語った。

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