『進撃の巨人』担当編集者から見た「諫山創」の11年7ヵ月

担当編集者インタビュー
現代ビジネス編集部

――逆に、川窪さんから見て諫山さんが幸せに見えた時期はありましたか?

川窪:だいぶ前に本人から聞いた話ですけど、人生で一番うれしかったのは新人時代にMGP(※マガジンが実施している新人向けの月例漫画賞)で『進撃の巨人』のプロトタイプの読み切りが佳作を取ったときだって言ってましたね。僕が電話で伝えたんですけど、その時は歩道橋の上にいて、電話を切ってから「よっしゃあ!!」って叫んだって言っていました。諫山さんのそんなところ、僕は見たことないので珍しいですね。

それと僕の目から見て、幸せそうというか、充実しているなと感じたのは、アニメが始まる前くらいの時ですね。その時はまだ脱皮する前というか、まだ大人になる前の青い感じがあって。成長するためにもがいて戦っている様子が、青春というか、輝いて見えていました。

あともうひとつ挙げるとすれば、諫山さんが結婚してからですかね。正確には今の奥さんと付き合うようになってからだと思うんですけど、人間味が増してきたような感じがありました。ちょっと言葉で正確に伝えるのは難しいんですけど、実際の発言ではないですが、たとえるなら「うなぎって、おいしいですよね」みたいなことを言うようになったんですよ。

 

――「うなぎって、おいしいですよね」ですか?

川窪:うまく伝わっているかわからないですけど、日常の雑感みたいなものですかね。そういうこと、昔は言わなかったんですよ。「うなぎがおいしい」っていうのは、あくまで例ですけどね。

僕の勝手な推測ですけど、たぶん彼女とうなぎを食べに行って「うなぎおいしかったな」って思うことが、一人で食べに行くのとは違う感覚で、それが幸せで、「うなぎがおいしいってこと川窪さんにも言ってみよう」って気持ちになったりするみたいな感じだったのかなと思っています。僕は諫山さんがいつから今の奥さんと付き合っていたのかは知らないんですけど、結婚の少し前くらいから、なんとなく諫山さんのそういう変化を感じていましたし、幸せそうでしたね。

450『進撃の巨人』担当編集者・川窪慎太郎氏
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