『進撃の巨人』担当編集者から見た「諫山創」の11年7ヵ月

担当編集者インタビュー
現代ビジネス編集部

――当時と今では関係性は変わったということでしょうか?

川窪:そうですね。今ではお互いに結婚したというのもありますが、普通にプライベートな話もしますね。当時とは関わり方も変わっていると思います。僕から誕生日プレゼントを贈ったりしたこともありますしね。

――プレゼントはどのような物を贈られたのでしょうか?

川窪:漫画の役に立つようなものを贈ったりしたことはあります。たとえば、筋肉の付き方がわかる人体解剖図とか。あと、「感情辞典」みたいなものを贈ったこともありますね。感情を表現する言葉がたくさん書かれている辞典です。

諫山さんって、日本語が超下手なんだけど超上手い、みたいなところがあって。送られてきた原稿を見ると、日本語に無いような表現が平気で書かれているんです。でも、ちゃんと表現したいことは伝わる。当時、校了者(※印刷前の最終チェックを担当する編集者)が結構厳しい人だったんですけど、諫山さんの独自の表現には「この日本語は変だけど、諫山語ってことでこれは良しとしましょう」みたいなことになったりしていました(笑)。

諫山さんって、普通のことも普通じゃない言い回しで表現するんですよね。それってつまり、たとえば「悲しい」ってことを「悲しい」以外の言葉で表現したいってことだと思うので、それならと思って、「悲しい」という感情についての言葉がたくさん載っている感情辞典を見つけて、それを贈りました。

 

絵に対する指摘

――諫山先生の新人賞入選作が雑誌に掲載されたとき、「入選作史上、最も絵が下手!!」とアオリ文が書かれていました。これに対して諫山先生が怒ったりすることは無かったのでしょうか?

川窪:このアオリ文、本当は僕も載せるの嫌だったんです(笑)。でも、当時これが載ったマガジンSPECIALという雑誌のチーフに載せろと言われて。

でも、諫山さんが怒ったりということはなかったですね。というか、諫山さんが怒ったところは今まで一度も見たことが無いですが。

先日、僕がテレビの取材を受けた際に「1話目のカラーページにかなり大きくアオリ文を入れたんですが、それはその下にある絵が汚いので隠したかったからなんです」ということを話したんです。一応、放送前に、そのくだりを放送しても良いか諫山さんに聞いたんですけど、「事実なんで大丈夫です」と言っていて。たぶん、この入選作のアオリ文に対しても同じように思っていたんじゃないかなと思います。

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