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「トランスジェンダーは個性」という言葉に、当事者の私が「苦い気持ち」になるワケ

「みんなちがって、みんないい」?
みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT』(ちくまプリマー新書)が刊行された。トランスジェンダー当事者である著者の遠藤まめたさんが、「個性」という言葉について考えます。

個性ってなんだろう

「個性を大切にしましょう」。

おなじみ、私たちが幼い頃からずっと聞かされてきたフレーズです。

個性的であること、他の人たちとは違う意見を持つことは、表向きは「よいこと」とされています。個性を伸ばすことの大切さは、小学校の道徳の授業でも習います。

しかし、実際には「みんなと違う」のは大変なことです。

個性という言葉を辞書で調べてみましょう。

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『広辞苑』によれば個性とは「(1)個人に具わり、他の人とはちがう、その個人にしかない性格・性質。(2)個物または個体に特有な特徴あるいは性格」なんだそうです。

個性とはその人のオリジナリティなんだ、ということが淡々と定義されていて、ここに「みんなちがって、みんないい」みたいな価値観は特に反映されていません。

このまじめな定義に対して、2016年に小学館が実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。2016」キャンペーンにたくさんの人が投稿した個性の定義は、実にバラエティに飛んでいました。むしろ、こちらの方が人々の赤裸々な本音を反映したものだと言えるでしょう。

選ばれた優秀作品を見てみましょう。

「あなたがあなたである証拠」(はりりさん)
「私は私だ、という自信の源」(チハルさん)
「絵の具と同じで、いろいろなものが混ざり合って出来上がる、同じ色は作れない自分だけのもの」(ヒロリンさん)

このあたりは前向きです。勇気や生きる希望が湧いてきて、夏の青空のような澄み渡った気持ちになれます。

これに対し、系統がちがうものもありました。

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