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老化した日本社会を救うのは、国政選挙「若者枠」の新設かもしれない

ジャーナリスト・河合雅司の緊急提言
コロナ禍で、少子高齢化とそれに伴う人口減少はますます深刻になっている。日本の未来を切り拓こうとするならば、"若い突破力"に委ねるしかない。ベストセラー『未来の年表』シリーズ著者の河合雅司氏は、日本を守るための「切り札」の一つとして、国政選挙に「若者枠」を導入することを提案する。
『未来の年表』シリーズの最新刊『未来のドリル コロナが見せた日本の弱点』から、その一部を特別公開する。
 

若者全員が投票に行っても高齢者の票数に及ばない

「社会の老化」を防ぐ政策を実現するには、政策決定の場を若返らせるのが最も手っ取り早く、有効な策である。したがって、第1の切り札は、衆議院・参議院両院の選挙(国政)に「選挙区枠」「比例代表枠」と並ぶ、「若者枠」を設けることである。

2017年10月に実施された第48回衆議院議員総選挙の当選者の平均年齢は、54.7歳である。年代別に見てみると、最多は50代で33.1%だ。40代が26.9%、60代が24.5%と続く。30代は7.1%で70代以上の8.4%よりも低く、20代は1人もいない。

「シルバー民主主義」という言葉がある。有権者人口に占める高齢有権者の割合が増えたことで政治家が得票を期待し、若い世代の意見よりも高齢者の意見のほうが通りやすくなることを指す言葉だ。

これに対して、「若い世代は投票率が低い。自分たちの意見を国政に反映させたいのなら、まずは投票に行くことが大事だ!」などといった、おとなたちの声が少なくない。

だが、ちょっと待っていただきたい。

2020年時点の日本人の20代は、1186万1000人だ。対して、70代はその1.37倍の1625万2000人を数える。65歳以上の高齢者(3602万7000人)と比較したならば、3分の1程度にしかならない。

若者の票数は高齢者に全然及ばない
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30代の1344万7000人を加えた20代~30代の全員が投票に行ったとしても、人口規模が65歳以上人口の7割でしかないので、高齢者の票数にそもそも及ばないのだ。

「シルバー民主主義」の是正という目的からすれば、「若者の投票率を向上させる」というのは、作戦として成り立っておらず、始める前から「負けゲーム」なのである。若い世代がこの冷酷な事実にどれほど気づいているかは分からないが、これでは無力感が広がり、政治に対してしらけるのも当然であろう。

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