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「オタク」になりたい若者たち。倍速でも映画やドラマの「本数をこなす」理由

生存戦略としての倍速試聴

【映画を早送りで観る理由 #2 個性的でなければ戦えない】

映画やドラマやアニメを倍速視聴、もしくは10秒飛ばしで観る習慣に対する違和感を、記事「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」に書いたところ、大きな反響があった。その記事の中で、一部の人たちが「聞き捨てならない」と憤慨する箇所があった。

「忙しいし、友達の間の話題についていきたいだけなので、録画して倍速で見る」
「内容さえわかればいいからざっと見て、細かいところはWikipediaで補足する」

おもに10代から20代の若者の声である。察するに彼らの多くは、ことさらコアな映画ファン、ドラマファン、アニメファンでもなければ、それらを大量にチェックする仕事に就いているわけでもない。

なぜ、そこまでして話題についていかなければならないのか。

 

LINEグループの“共感強制力”

大学の講義や就活イベントなどで現役大学生と触れ合う機会が多い森永真弓氏(博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所)によれば、若者のあいだで「仲間との話題に乗れることが、昔とは比べ物にならないほど重要になっている」という。

その理由が、SNSによる接続時間の長さだ。

「LINEの友達グループは四六時中つながっています。いつ連絡してもいいし、常に何かしらの反応を求められる。お正月に、妻もしくは夫の実家に帰省して親族が集まっている2日間、みたいな状況を想像してください(笑)。ずっと一緒にいると、世間話もネタが尽きてきて、つらいですよね」(森永氏)

それと同じことが、オンラインの友達グループでも起きているのだ。ただ、そのつらさは共通の話題があれば回避できる。つまり、グループで話題になっている映画やドラマを観ておけばいい。

「6人のLINEグループだったら、おすすめ作品が6者6様にどんどん出てきます。しかも、“いま放映されている人気番組”だけをチェックしておけばよかった昔と違って、今は新作も旧作も動画配信サービスで、いくらでも観られる。ここに地上波放送、DVDレンタル、YouTubeなどを合わせた膨大な作品アーカイブの中から『これ、おもしろかった』が日々話題になります。とにかく、観なければならない本数が多い」(森永氏)

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