コロナで「日本人絶滅」へのカウントダウンが現実味を帯びてきた…!

少子化は予測よりも18年早く進行
河合 雅司 プロフィール

社人研の「第15回出生動向基本調査」(2015年)によれば、平均交際期間は4・34年だ。今後数年は、「コロナ前」から交際していたカップルが結婚する時期を迎えるが、問題はその後だ。出会いや”最も濃厚な関係”を築く機会を奪われる期間が長期化したら、婚姻件数どころかカップルそのものが激減しかねない。

 

コロナ禍は収束の目途が立っていない。社会ストレスがかかる状況でセックスレスの傾向が続き、婚姻件数の下落傾向に歯止めがかからなければ、出生数は墜落するように減ってしまう。日本社会は壊滅的な打撃を免れ得なくなるだろう。

少子化が深刻化してきたときにコロナ禍に襲われたことを「最悪の巡り合わせ」と先述したが、最悪である理由はもう1つある。私が『未来の年表』で予言した通り、2020年は実際に、女性人口の過半数が50歳以上となったのである。

総務省によれば、2020年10月1日現在の50歳以上の女性人口は概算で3249万人となり、49歳以下人口の3212万人と逆転した。これのどこが問題なのかと疑問に思われる人もいるだろうが、それは日本人がいよいよ本格的に”絶滅への道”を歩み始めたということに他ならない。多くの女性は40代で出産を終えるからだ。合計特殊出生率が、母親になり得る年齢を15~49歳として計算されているのもこのためだ。

日本の少子化は、「過去の少子化」の影響で女児の出生数が減り続けてきたという構造的問題として起こっている。女児は十数年後には出産可能な年齢となるが、女性人口の過半数が50歳以上となったのも、女性の超長寿化と同時に女児の数が極端に減ってきたことが要因だ。ニワトリと卵のような関係であり、50歳以上の割合はどんどん拡大していく。

多くの国民が新型コロナウイルスの感染拡大に目を奪われているうちに、日本は致命的な局面を迎えていたのである。

少子化はいったん加速しはじめると、そのスピードを緩めることは難しい。”ため込んでいた需要”が一気に放出されるようにはならないと先に述べたが、日本のような晩産・晩婚社会ではなおさらだ。年を重ねてからの1年や2年の違いは大きい。結婚や出産のタイミングが1年遅くなるだけで、「子供は1人でよい」とか「3人目は諦めよう」となる。

2065年、出生数はわずか約41.6万人に

年間出生数が減れば、将来母親となり得る年齢の女性数も想定以上に減っていく。

2021年以降の年間出生数が大きく減り、そのまま社人研の悲観的シナリオの推計(低位推計)に沿った下落カーブを描いていったならば、2045年の年間出生数は約59万1000人、2065年には約41万6000人となる。2115年には全国でわずか約19万2000人にまで減ってしまう。

2065年の出生数で考えると、47都道府県で割れば1都道府県当たりの平均出生数は年間9000人弱となる。社人研の中位推計ではこの年の出生数を全国で55万7000人と予測していたから、25.3%も低い水準である。

人口動態統計によれば、2019年の出生数は東京都が10万1818人なのに対し、鳥取県は3988人に過ぎない。今後、大都市部を抱える都道府県の出生数が相対的に多くなることを考えれば、出生数が3000人に満たないような県がいくつも登場するだろう。各県内での偏在を考えれば、出生数ゼロの自治体が激増し、とても「地方創生」などとは言っていられなくなる。

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