コロナで「日本人絶滅」へのカウントダウンが現実味を帯びてきた…!

少子化は予測よりも18年早く進行
河合 雅司 プロフィール

3つ目の要因は、景気悪化に伴う収入の減少や将来への不安だ。第2子以降の妊娠については、夫の育児参加や経済面の安定が大きな決め手となっている。勤務先の業績悪化で仕事を失ったり、給与やボーナスが減ったりする人が、ライフプランを見直さざるを得なくなり、子供を持つ余裕を失った夫婦・カップルが増えたということだ。

 

婚姻件数や妊娠届け出数の減少は、コロナ不況の影響が非正規の女性雇用者を直撃したことも遠因となっていると考えられる。共働き世帯が増え、カップルのどちらかの雇用が不安定になると、結婚・出産以降の生活設計に見通しが立たなくなるためだ。

総務省の「労働力調査」によれば、2020年度平均の就業者数は6664万人で前年度より69万人減ったが、中でも女性が多い宿泊業・飲食サービス業は、37万人減の381万人と1割近い減少幅になった。

ホテルや飲食店などは、感染拡大に伴う観光需要の減少や営業時間の短縮のあおりを受けて経営が悪化したが、非正規雇用者が真っ先にその犠牲になった形だ。

非正規雇用者の増減を見てみると、女性は前年度比65万人減であった。同じ非正規雇用でも男性は32万人減で半数にとどまっている。同じ女性でも正規雇用者は36万人増で、非正規雇用の女性の厳しさが際立つ。「2020年度」の調査では年齢別の状況が分からないので、「2020年」で調べ直してみると、結婚する人が多い「25~34歳」の女性非正規雇用者は、前年より14万人少なくなった。

2020年、実際に女性の過半数が50歳以上に

妊娠届け出数や婚姻件数の減少からして、2021年の出生数の激減は間違いないが、どれぐらいの水準まで落ち込むのだろうか。

コロナ禍の影響をさほど受けなかった2020年が過去最低を更新して84万人程度になりそうであることを踏まえれば、80万人割れは確実視されるところだ。厚労省の人口動態統計月報(概数)によれば、2020年1~11月の婚姻件数も、前年の同期間と比べて12.3%も下落した。

もし、これに比例して妊娠件数が1割下落すれば、2021年の年間出生数は75万人程度にまで減る可能性が出てくる。速報値では2021年1〜3月の出生数は、「コロナ前」だった前年同期比9.2%の激減である。

(photo by iStock)

社人研は75万人となる時期を2039年と予想していた。18年も早い到達が現実となったら、2021年は「ベビーショック元年」として、長く歴史に刻まれることとなる。人口減少対策のための「残り時間」を一気に使い果たしてしまうようなものだ。

問題はこれで終わらない。出生数の減少は2022年以降も加速を続けそうだからだ。2021年1~3月の婚姻件数は、前年同期間比5.9%減と下落に歯止めがかかっていない。雇用情勢は悪化しており、前年より1割近い減少となったら、2022年の年間出生数は70万人割れが視野に入ってくる。それは2040年代半ばに達すると見られていた水準だ。日本社会は急降下で縮むこととなる。

結婚や妊娠は、個々人の価値観に基づく極めてセンシティブな問題であり、とりわけ「タイミング」が重要である。コロナ禍が収束すれば観光需要などが爆発的に増えることが予想されるが、結婚や妊娠に関しては”ため込んでいた需要”が一気に放出されるようにはならない。結婚ブームや出産のブームが起きるわけではないのだ。

新型コロナ感染症は、人間関係の中で”最も濃厚な関係”を築かなければならない恋愛を難しくする。初めて出会った男女が恋人関係に発展するのに、マスクにソーシャルディスタンスでは無粋であろう。テレワークでは直接の出会いそのものがなくなる。

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