# ドラマ

『大豆田とわ子』にチラつく「不気味さ」の正体…これは“ホラー作品”なのか?

「あえて描かない」という手法が見事
成馬 零一 プロフィール

坂元裕二は、門谷のような女性差別を内面化した男たちを『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)等の作品で繰り返し描いてきた。だから『まめ夫』の展開はショックを受けつつも「やはりそうなるのか」と納得できる流れである。しかし、その見せ方は過去作とは大きく違うものだ。

とわ子を逆恨みした門谷は、決まりかけていたしろくまハウジングの追加予算を認めず、元の予算で(赤字覚悟で)仕事を進めないと「契約を破棄する」と圧力をかけてくる。

とわ子は門谷の元へ向かい、追加予算を認めてもらうために、彼の車に乗りこむのだが、その後、とわ子の姿が登場しないまま第5話が終わってしまう。

続く第6話で描かれるのは、とわ子の父・旺介(岩松了)に呼び出された3人の元夫が3人の女性と、とわ子のマンションで餃子パーティーをしながら本音をぶつけ合うという恋愛ドラマ的展開だ。

最初の元夫、田中八作を演じている松田龍平[Photo by gettyimages]
 

八作たちを遠回しに批判するように女性3人が語る「男あるある」や「恋愛あるある」は、坂元裕二が『最高の離婚』(フジテレビ系)等の恋愛ドラマで繰り返し書いてきた切れ味の鋭い名台詞の連発だ。そこだけ見れば面白いのだが、先週から姿を見せないとわ子の安否が気になって、ドラマに全く集中できない。

餃子パーティーが終わった後は、何の説明もないまま八作が病院に向かう姿が描かれ「とわ子の身に何かが起きたのではないか?」と想像させる。そして最終的に、とわ子ではなく、かごめが亡くなったことが視聴者に告げられる。

つまり、あえて状況を描かないことによって、とわ子の状況を視聴者に想像させようとしていたのだ。

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