『A New Musical「ゆびさきと恋々」』より

緊急事態宣言中に「日本発の新作オリジナルミュージカル」を上演する“前代未聞の挑戦”

緊急事態宣言中の6月4日、日本発の新作オリジナルミュージカル『A New Musical「ゆびさきと恋々」』が東京・本多劇場で開幕した。総合プロデュースを務めるのは、ワタナベエンターテインメント代表取締役社長・渡辺ミキさん。なぜ今、ミュージカルなのか。コロナによるエンタメ業界への大打撃、コロナ時代にミュージカルを上演する意義について訊いた。

(前編「『演劇に出会って人生が変わった』ワタナベエンターテインメント社長がそう語る理由」はこちら)

この1年、公演会場からのクラスター発生はない

「本当に、大、大、大激震でした」

2020年2月26日の出来事をワタナベエンターテインメント代表取締役社長・渡辺ミキさんはそう振り返る。新型コロナの感染拡大を受け、安倍晋三首相(当時)が発したメッセージに衝撃を受けたのだ。

〈政府といたしましては、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします〉(2020年2月26日首相会見より)

この要請による影響はあまりにも大きかった。例えばぴあ総研によれば、音楽分野では2020年のライブ・エンタテインメント市場が対前年比で約8割減、音楽フェス市場は約98%が消失したという。“壊滅的”と言っていいだろう。

ワタナベエンターテインメント代表取締役社長・渡辺ミキさん
 

加えて、「エンタメは不要不急」という言葉も飛び交った。「これまでエンターテインメントは、心を豊かにする“善いもの”として捉えられていました。それが突然、『不要不急だ』『感染拡大の原因だ』と“悪いもの”扱いされるようになっていきました」。

しかし、一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、一般社団法人日本音楽出版社協会の4団体の声明文に〈2020年5月の最初の緊急事態宣言の解除以降、1年近くにわたり、私共団体会員社のコンサートや演劇、ミュージカル等の公演会場からのクラスター発生は報告されていません〉とあるように、“悪”とされる実態はない。

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