子どももスポーツでうつ状態になる

こう書くと、こころを病んでしまうのは大人の、しかも一流選手に限ると思われがちだが、実は子どもだってスポーツでうつ病になる
先月のこと。私がQ&A方式の連載を担当するネットコンテンツに、ある保護者からこんな悩みが舞い込んだ。要約するとこんな話だ。

サッカークラブに所属する小学6年生の息子が、5年生でレギュラーから外されてしまった。コーチからは、基礎的なスキルはあるけれど、積極性に欠けプレーが硬いため試合で使えないと言われた。本人は自分を変えようと必死で、親が少し休んでと頼むほど練習にのめり込んでいる。と同時に笑顔が消えた。もがけばもがくほど逆効果で、試合の後は泣いているという。

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この小学生は、重度ではないかもしれないが、うつ状態だと感じる。子どもだってうつになるのだから。私は回答として、米メジャーリーグの大谷翔平選手の話を伝えた。
彼は故障をした際、シーズン途中で手術することを即決している。関係者によると「無理してプレーしても楽しくないから。無理してでも結果を残すといった考え方は彼の中にない」と言う。さらに、彼が二刀流をやるのは、それがすごいことだから挑戦している、というわけではなく「投げるのも、打つのもどちらも大好きだからやっているだけ」なのだ。

アメリカも日本も熱狂させている大谷翔平選手の原動力は「好き」という思い Photo by Getty Images

あんなにもアメリカ人を熱狂させているスーパースターの原動力は「大好き」という気持ち。そんな気持ちを、上記のサッカーに悩む息子さんが取り戻せるよう寄り添ってほしい旨を、その連載記事で伝えた。子どものうちは泣くなどしてこころの不調を大人に知らせてくれるが、中学、高校になると「何でもない」と上手に隠す。最悪の結果になったケースを検証すると、そのほとんどに抑うつ状態がみられる。

神奈川県で少年サッカーを指導する男性は、こう話す。
「心が強いと言われる子は単に鈍感だったり、あまり考えていないこともある。考えないから、感じない。対して、気が弱そうな子は繊細で、賢いがために先を読んで緊張する、なんてこともある。考えるからこそ、感じているんです