大坂なおみ選手が試合後のインタビューを拒否する意向をツイート、そのツイートが大きな物議をかもし、最終的に大坂選手は全仏オープンを棄権する意向を改めてツイート、そこで自身がうつ状態にあることも告白し、今後よりよいやり方を考えたいと伝えた。
ここで改めて注目されたのが、大坂選手ほどのアスリートがうつ状態に悩まされていたという事実。では他のアスリートはどうなのか。多くのスポーツに向かう子どもたちと心の問題はどのようにケアすればいいのか。ジャーナリストの島沢優子さんが現状を伝える。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」今までの記事はこちら
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現役プロサッカー選手の38%が苦しんでいた
「心の問題」

女子テニスの大坂なおみ選手が全仏オープンを棄権し、うつを公表した。さまざまな意見があるなか、ヴィッセル神戸に所属する元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手が6月1日、大坂選手のツイッターを引用し「共感しよう、参加しよう、助けよう。。。ナオミ頑張って!」とリツイートした。イニエスタ選手もまた、鬱に苦しんだ過去を明かしている。

スペイン代表を長くつとめ、2011年にはパレンドール4位にも選ばれたアンドレス・イニエスタ。現在浦和レッズに在籍する Photo by Getty Images

オリンピックで4連覇し「水の王者」と呼ばれた豪州のマイケル・フェルプス選手もうつ病体験を語り続けている。彼の「命を絶たなかった自分に感謝している」という言葉に、闘病の壮絶さがうかがわれる。日本では、元Jリーグ広島の森崎和幸・浩司兄弟がうつ病であることを公表している。

一般的に「アスリートはこころが強い」もしくは「メンタルが強い人がスポーツでも勝てる」と思われがちだが、決してそうではない。
国際プロサッカー選手会が2014年に実施した「プロサッカーにおける心の健康問題の調査」によると、現役選手の38%、元選手の35%がうつもしくは不安障害に苦しんでいた(サッカー現役選手607人、元選手219人にアンケート)。例えば、米国やヨーロッパ―圏の生涯有病率は9~16%で、日本人は約7.5%といわれているので、上述したようにプロサッカー選手のメンタルヘルスが一般人よりもはるかに深刻なことがわかる。

ストレスにさらされるからこそ、試合前や試合中の緊張、気持ちがダウンしたときなど、その場に応じメンタルをコントロールするスキルを彼らも学ぶ。アスリートとしてのキャリアを重ねるなかで、メンタルスキルを身につけている。

さらに言えば「心が弱い」はそんなにダメなことじゃない。それイコール「繊細である」と考えられる。スポーツはどんな競技にも繊細さが求められる。技を極めるための気づき。試合の際に相手の息遣いや表情で、対応を考えられるような心の細やかさが必要なのだ。