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アップルCEOも法廷に…「注目の訴訟」の行方

本当に当代のビッグブラザーなのか?

2021年5月22日、AppleのCEOであるティム・クックが法廷に現れて証言を行った。5月3日から5月24日まで3週間あまり続いたEpic Games v. Appleの裁判の一幕のことだ。そこでクックは、この訴訟を担当するカリフォルニア州北部地区連邦地裁のイヴォンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事を前に、Appleは決して競争を阻害しているわけではないと主張した。

この訴訟は、人気ゲームの「Fortnite」の開発元であるEpic Gamesが、Appleを反トラスト法違反を理由に訴えたものだ。発端は、昨年の夏、2020年8月13日に、Epic Gamesが、iPhone上で提供するゲームアプリFortniteの中で、アップルの支払いシステムを迂回する独自の支払いシステムを導入したことだった。これに対してAppleは、利用規定に反する、という理由から、同日、FortniteをApp Storeから締め出した。このAppleの行為が反トラスト法違反にあたるというのがEpic Gamesの主張だ。

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Epic GamesのCEOであるティム・スィーニーはかねてから、App Storeの規定に対する不満を公にしていた。Fortnite内に独自の支払いシステムを導入したのも、Appleが自社の支払いシステムの利用しか認めないからで、その結果、Epic Gamesからすれば、Fortnite内で販売したアイテムに対してもAppleの支払いシステムを使うしかなかった。スィーニーが不満に感じたのは、そのようなゲーム内課金の処理にも、売上の3割を手数料として徴収されることだった。あわせて、Fortniteのゲームアプリ内で独自のApp Storeを開くのも禁じられており、こうしたAppleの管理姿勢が、Epic Gamesには反競争的に見えたのだった。

一方、Appleの主張はシンプルで、まず、iPhone、iOS、App Store、ならびにその中の支払いシステムは、製品として一体のものであり、それゆえ、支払いシステムの指定も優越的地位の乱用にはあたらないということだ。その上で、App Store内で、アプリごとの独自のApp Storeや支払いシステムを認めないのは、iPhoneユーザーのセキュリティのためであり、ひいてはそれがユーザーからの信頼性につながると考えてのことだった。

App Storeからダウンロードされたアプリに関連して生じるトランザクションについても30%の手数料を求めるのは、App Storeをサステイナブルなものにするために必要だから、という理由からだった。また、料率が30%なのは、それがゲーム業界では標準だからであり、Appleが恣意的に導入したわけではないことを強調した。

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