小山薫堂さんによって平成27年6月に拓かれた「湯道」。昨年、「一般社団法人 湯道文化振興会」として活動を開始しました。湯の旅を重ね、風呂に浸かることで見えてくる気づきや学びを綴った「湯道百選」も順調のようです。改めて、「湯道」が教えてくれること、湯に浸かる意味、ひいては薫堂さんが最近気になるJAXURY=JAPAN’S AUTHENTIC LUXURY(日本が誇るほんもの)について伺いました。合わせて、日本のクラフトマンシップを感じるタオル、浴槽も紹介します。

●お話を伺ったのは…
小山薫堂(こやま・くんどう)
放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティー、京都芸術大学副学長。熊本県生まれ。日本大学芸術学部放送学科在学中に放送作家として活動を開始。「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」等、テレビ番組を数多く企画。脚本を担当した映画「おくりびと」は第81回米国アカデミー賞外国語部門賞を獲得。プロデューサーを務める映画「のさりの島」が近日公開。「湯道百選」を以下websiteで連載中。

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「湯道」は教えてくれる

考え方ひとつで自分の身の回りにあるものが、自分の人生にとってプラスになる道具になるっていうことを。

五年前に一人で拓いた「湯道」も一般社団法人となり、新たな展開を迎えています。改めて「湯道」に至ったいきさつを振り返ってみました。

2007年、僕が発起人となって、首都高の事故を減らすプロジェクト「TOKYO SMART DRIVER」がスタート。首都高で最も多い事故は料金所前の接触や衝突。つまり、譲り合いの気持ちが足りなくて起こる事故でした。事故が1件減るごとに2kmの渋滞が解消され、3トンのCO2排出を減らせることも知って、けっこう荒かった僕の運転は穏やかになり、首都高を走るたびに譲り合いの気持ちも強くなり、気づけば便利だからという理由で使っていた首都高が、僕にとっての優しさのスイッチになっていたのです。

風呂に入るという習慣も、考え方ひとつでこんな風になるに違いない。気持ちがいいだけじゃなくて、湯に浸かって誰かのことを考えたり、何かに感謝したり、ときには閃いたり、いろんなきっかけを作る装置になって、その精神を突き詰めていけばひとつの「道」になるはずだと。奇しくも、「道」から「道」を学んだわけです。