コロナ禍で急加速する「社会の老化」…これから日本が直面する「厳しすぎる現実」

若い世代よ、「蜂起」せよ!
河合 雅司 プロフィール

ドリル方式を採用する

これから起きることを正しく理解したならば、次のステップは「書き換わる未来」に対応する策を考えることである。第2部では「社会の老化」を跳ね返すための切り札となる5つの提言をしようと思う。

 

社会から精気を吸い取る「国家の病巣」を取り除くには、若い世代の突破力に頼むしかない。少子化で数は少なくなっていくが、塊となってかかれば大きな力を発揮する。そうした意味では、本書の目的は、若い世代の「蜂起」を促すことにあると言ってもよい。

「蜂起」といっても、暴動や反乱をそそのかそうなどという物騒なことを考えているわけではない。先進国の座から転がり落ちようとしている日本の再興は、もはや若い世代に託すしかないところまで来たということだ。今ほど、この国が若い世代の活力を求めているときはない。

本書の最大の特徴は、何といっても分かりやすさだ。未来予測は難しい。これまで私は、『未来の年表』(講談社現代新書)シリーズで、カレンダーやカタログ、俯瞰地図という手法を用いて人口減少社会の可視化を行ってきたが、本書では第1部でドリル方式を採用することとした。読者の皆様にクイズを解く形でご参加いただいたほうが、馴染みやすく、より理解が深まると考えたからだ。ぜひ繰り返し挑戦してほしい。

コロナ禍は悪いことばかりではない。デジタル改革や雇用制度の見直しなど、放置されてきた日本の課題に取り組む動きが随所に見られるようになった。結果論だが、コロナ禍は「コロナ前」からの社会課題の解決に向けて時計の針を進める役割も果たしている。

そして、コロナ禍がもたらした一番の副産物は、「人口減少後の社会」を未来へのタイムマシンの如く一足早く覗き見させてくれたことである。コロナ禍は、否応なしに多くの需要を奪い去ったが、それは人口減少で需要が縮小した日本社会を強くイメージさせ、シミュレーションするには十分であった。

コロナ禍からの社会経済の再興のための方策と、人口減少対策とは極めて似ている。コロナ禍が背中を押す形で少子高齢化や人口減少への対策が飛躍的に進む可能性もある。

私は繰り返し、「戦略的に縮む」必要性を唱えてきたが、コロナ禍が見せた「縮小」は、人口減少に耐えうる社会へ作り替えるための「ラストチャンス」となるかもしれない。

勝負はこれからであり、社会の「豊かさ」を次世代に引き継いでいくためにも負けるわけにはいかない。本書が「ラストチャンス」を勝利に導く指南書になるとともに、すべての読者が激動の時代を乗り越えるための一助とならんことを切に願う。

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