コロナ禍で急加速する「社会の老化」…これから日本が直面する「厳しすぎる現実」

若い世代よ、「蜂起」せよ!
河合 雅司 プロフィール

世の中に活力をもたらす若者を制限する社会が健全なはずがない。個々の若者はいつまでも若いわけでなく、その年齢でしかできないこともある。大人たちが大学への通学を認めず、スポーツの全国大会も、入学式、卒業式も中止としてしまった。コロナ禍に青春時代を迎えた特定の年代の人々のチャンスを奪えば、必ず後で歪みとなって現れる。

 

政府や地方自治体、企業が考えるべきはむしろ、数少なくなった若者が感染を気にせず活発に活動できるような「安全な場所」を提供するための方策であった。

若者の行動を制限することが社会にとって自殺行為であることは分かっているのに、多くの人の理性を失わせるところが「社会の老化」の恐ろしさである──。

書き換わる未来を可視化する

私は何も、高齢者の健康や命を軽んじているわけではない。歳を取ることが悪いと言いたいわけでもないし、若い世代に無節操な行動をするように呼びかけているわけでもない。徹底した感染予防策を取るのは言うまでもないし、年齢に関係なく規則に則った責任ある態度をとるのは当然である。社会全体で感染症を封じ込めていくことと、人々が萎縮せずに社会活動をすることは十分両立できると言っているのだ。

「社会の老化」を看過できないのは、その先に待ち受けるのが経済的困窮だからだ

日本のような国民の平均年齢が高い「年老いた国」は、「若い国」よりも積極的に社会経済活動を行わなければ、国際競争に太刀打ちできない。コロナ禍の経済危機からの回復のように、世界各国が一斉に復興のスタートを切る局面ではなおさらだ。ここでの出遅れは取り戻すことが難しい。

そうでなくても、日本は人口減少が進み劣勢に立たされている。必要以上に若者の手足を縛るということは、日本人自身が不況を創り出しているようなものなのである。

コロナ禍からの再興に手間取ることになれば、国家としての衰退の歩みはいよいよ早くなる。国際マーケットどころか国内マーケットをも外国資本に奪われ、多くの日本企業が外国企業の手に落ち、国益を守れなくなることが懸念される。「いまに日本人が中国に出稼ぎに行かざるを得なくなる」といった発言を耳にすることが少なくないが、笑い話で済まなくなるかもしれない。

人命が最優先であることは論を俟たないが、目先の感染症対策や「一過性の変化」にとらわれ、少子高齢社会が受けるダメージのリアルから目を背けることは許されない。

「社会の老化」を放置し続ければ、「未来の年表」は悪化の一途をたどる。経済的困窮どころか、やがて国家の致命傷となる。

われわれは、ただ傍観してはいられない。「社会の老化」を打ち破る策を考えるしかない。まずできることは、コロナ禍がもたらした変化を正しく理解し、「社会の老化」がそこにどうかかわったのかを知ることだ。そして、次の一手を考えることに尽きる。

そのために、本書は新型コロナウイルス感染症に襲われた2020年に、この国で一体何が起きていたのかを整理し、その本質を読み解いていく。コロナ禍の爪痕を理解することで、「未来の年表」がどう書き換わるかが分かってくるからだ。

アフターコロナについては、さまざまな分野の予測が登場している。だが、そのほとんどが人口減少による影響を織り込んでいない。推測の域を出ないものも少なくない。

本書はそうした予測とは一線を画し、データによるファクトの積み上げによって分析を行う。コロナ禍が人口減少にどう影響するのか、書き換わりゆく未来の可視化作業である。

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