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コロナ禍で急加速する「社会の老化」…これから日本が直面する「厳しすぎる現実」

若い世代よ、「蜂起」せよ!
コロナ禍は少子高齢化と人口減少を加速させ、日本社会の衰退に拍車をかけている。一刻も早く対策を打たなければ、取り返しのつかないことになるだろう。「社会の老化」を打ち破るために、私たちは何をすればいいのか。
ジャーナリストの河合雅司氏による、ベストセラー『未来の年表』シリーズの最新刊『未来のドリル コロナが見せた日本の弱点』から、「はじめに」を特別公開する。
 

日本の弱点を突かれた

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)によって社会が大きく変貌したことは、誰もが知る「常識」である。だが、コロナ禍で見えた本質的な課題を分かっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

感染拡大に伴って、マスクやアルコール消毒、ソーシャルディスタンス(社会的距離)などが、すっかりニューノーマル(新常態)となった。テレワークが普及して在宅勤務も珍しくなくなった。外国人の姿はめっきり減り、オフィスの縮小や飲食店の廃業など、中心市街地はその姿をどんどん変えた。

世の中は大騒ぎしているが、こうした「小さな変化」の多くは一過性で終わるだろう。感染が収束し、マスクなしで気兼ねなく外出できる日常が戻ったら、元通りとなる。

そもそも、コロナ禍をきっかけに目の前に現れた変化のほとんどは、新たに起きたことではない。「コロナ前」から日本の弱点であった。コロナ禍はそこを突き、「積年の宿題」をあぶり出したのである。それを放置すれば日本が行き着く「由々しき近未来」を予告編のように見せ、一気に時間を進めたと理解すべきなのである。

コロナ禍が残した最大の爪痕は、少子高齢化とそれに伴う人口減少の悪化であった。いわずと知れた、わが国一番の国難だ。コロナ禍がこれに与えた影響は、「一過性の変化」とはいかない。深刻さの度合いが違い過ぎる。

それはまず、婚姻件数の激減という形で始まった。厚生労働省の人口動態統計月報(概数)で2020年1~11月を見ると、前年同期間比で12.3%減った。婚姻件数の落ち込みは、出生数の減少に直結する。すなわち人口減少だ。出生数減少の流れは2021年に入っても続いている。人口動態統計速報で1~3月を「コロナ前」であった2020年の1~3月と比べてみると、驚くことに9.2%下落したのだ。

年間出生数の推移と予測
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こんなペースが続いていけば、2021年の年間出生数の大暴落に続き、2022年は、少子化が従来の想定より四半世紀も前倒しされる可能性が出てくる。そんなことが現実になったら、日本社会は取り返しのつかないダメージを被ることになる。

日本社会の深層にある「老化」

もう1つ、コロナ禍があぶり出した人口減少の難題がある。

コロナ禍においては、「ワクチン敗戦国」と言われるほど日本政府の対処能力の低さが露呈した。ワクチン以外でもデジタル化の遅れ、世界一の病床数を誇りながらの医療崩壊、ザルのような水際対策、いつまでも拡充されないPCR検査など枚挙にいとまがない。「国家としての衰え」を感じた人も多かったことだろう。

「国民はみずからの程度に応じた政治しかもちえない」(松下幸之助)とも言うように、政府の失態は日本社会の姿を映し出しているわけだが、もう1つの難題とは、なぜ日本がここまで落ちぶれてしまったのか、その理由にある。日本社会の深層にある「老化」だ

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