2021.06.28
# DX

ジェフ・ベゾスが「ワシントンポスト」を復活させるため「最初にやったこと」

DXによる奇跡の大転換
今、空前のブームとなっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。しかし、その本質を理解している人は少ないだろう。シリコンバレーを拠点に活躍する起業家で、著書『いまこそ知りたいDX戦略』を出版した石角友愛氏は、その成功例として「ワシントンポスト」の改革を挙げる。アマゾンのジェフ・ベゾスによってなされた「デジタルカンパニーへの大転換」を、石角氏がわかりやすく解説する。

ベゾスが描いたビジョンとは

たった数年で、デジタイゼーションからデジタライゼーション、そしてDXまでの軌跡を描いたワシントンポストのケースをご紹介しよう。トニー・サルダナの近著『Why Digital Transformations Fail』(邦訳『なぜ、DXは失敗するのか?』東洋経済新報社、2021年)でも紹介されていた、有名なDXの成功事例だ。

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皆さんご存じのように、ワシントンポストはアメリカの歴史ある新聞社だ。デジタルネイティブでは全くないこのオールドメディアを、アマゾンのジェフ・ベゾスは見事に事業再生した。

ベゾスがワシントンポストを250億ドルで買収したのは2013年のことだ。この年、ワシントンポストは前年度比で売上が12%も減少していた。ところが、たった4年でベゾスはこの会社を黒字化させている。

サブスクリプションの有料会員は前年比で75%アップ。ウェブサイトのビジターの数がニューヨークタイムズを超えるところまで成長した。

ベゾスは、ここで何をしたのか。それを知ることは、現在、伝統的な企業でDXを担当する人たちにも大いに参考になると思う。

ベゾスが最初にやったのは、ビジョンの作成である。ローカル紙であったワシントンポストを、ナショナル紙にするというビジョンだ。

ここで少しアメリカの新聞事情を説明すると、アメリカには日本でいういわゆる「全国紙」というものがあまりない(ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルを除く)。

 

朝日、読売にあたるような新聞社はなく、北海道新聞や中京新聞などのようなローカル紙の位置づけで、ワシントンポストやロサンゼルスタイムズなどが存在する。

ベゾスは、このローカル紙を、国民的な全国紙にしようとしたのだ。

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